映画 UNE NOUVELLE AMIE
新しい女友達

かなり放置しているブログですが、まだまだ細々と続けますよー。
フランソワ・オゾンとロマン・デュリスの初コラボの新作を観たので久久の更新です。

ローラとクレールは7歳の出会いから常に人生の出来事を共有してきた大親友。
しかし、ローラが娘を出産してすぐ不治の病で返らぬ人となってしまった。
ローラの夫ダビッド(ロマン・デュリス)と娘の支えになると生前のローラと約束したクレールは夫の助言もあり、ある日ローラとダビッドの家を訪ねるが、そこには女装して娘にミルクを与えるダビッドの姿が。
ダビッドは以前から女装の趣味があり、ローラも知っていた、ローラは女装して外出をしないことを条件に彼の性癖を受け入れてくれていたが、ローラという女性そのものの存在がその欲望を抑えてくれていた、でも彼女が亡くなったことでその欲望が復活したという告白をされたクレール。
最初は驚きのあまり拒否反応しかなかったが、そのうち女装したダビッドを"ヴァージニア"と呼び、女友達として接するようになっていくのだが…


原作は有名なイギリスの推理作家ルース・レンデルの"The New Girl friend"邦題「女ともだち」。
ルース・レンデルは一度も読んだことないのですが、これは推理ものというより、心理サスペンスという感じです。
そして、ロマン・デュリスがやっぱり上手い。
下手するとゲテモノになりそうなところを、彼独特な雰囲気でコミカルながらも繊細な男に仕上げています。
ダビッドは女装趣味はあるけど、男性を求めるゲイではないところが、またサスペンスを盛り上げる。
女装の趣味があることを周囲に隠し、夫にも怪しまれない為、ダビッドとの小旅行を母親に会いに行くと嘘をついて出かけるクレールの感情の綾が危なく描かれています。
彼女は女友達としてのダビッドを求めているのか、それとも…というところがこの作品の要。

シリアスな作品でもありますが、結構笑えるところもあり。
一応、12歳禁にはなっていますが、オゾンにしてはかなり普通な毒のスタンダードな作品と言えるかも?

作品内容と話はずれますが、この作品に出てきた住宅街と公園は前にブログで書いた「La vie domestique」と同じ街のようです。
ちょっとフランスっぽくない家のつくり、垣根がないアメリカのアッパーミドルクラスの住宅街みたいな感じ。
パリからそう遠くはないようですが、どこなのかなあ…
お心当たりがある方は是非教えてください。