この前、古くから知っている同業者と

最近の翻訳業界について話したのだが

 

やはりAIの進化もあって、

翻訳業界は本当に大きく変わりつつあると

痛感した。

 

彼によると、古くから付き合いのある

翻訳会社からの依頼が少なくなったかわりに

海外の翻訳会社、主に中国の企業からの

依頼が増えているらしい。

 

ところが、その翻訳内容はといえば、

やはり昔ながらの翻訳形態ではなく、

AIが手掛けた翻訳文書の手直しが

中心になってきているという。

 

いわゆるポストエディットという仕事になるが、

この場合のメリットというと、やっぱり

1文字単位の単価が低く抑えられるところだ。

 

ちょっと前まで、彼は寝る暇もないほど

忙しい翻訳者だったのに、もう専業ではなく

副業をしているという。

 

それはそれで全然かまわないのだが、

優秀な翻訳者なだけに、惜しいとも思うもやもや

 

このような傾向は

これから増えていくのは確実で

英語の翻訳者の方でも、AIがまだ進出できて

いない分野

彼女の場合は英語の通訳者という道を選択された。

 

そう、英語はすべての言語の仲介言語なので

まだまだ人間翻訳者が必要とされる。

 

今どき、ハンガリー語から日本語にする必要は

あまりなく、ハンガリー語から英語、

英語から日本語の需要が求められる。

 

だから、英語から日本語の翻訳需要は減らない。

 

でも、その彼女でさえも、AIの進化を目にして

通訳者の道を探ったのだ...アセアセ

 

時代の流れなんだろうな、と思うし、

この流れに逆行すると、置いて行かれるのは確実だ。

幕末から明治維新になるときのお侍さんの気持ちが

わからなくもないアセアセアセアセ

 

でも、刀にしがみついたお侍さんの末路は悲惨だった。

私もそうなりたくはない....もやもや

 

もちろん、今も忙しくされている方はたくさん

いらっしゃるし、これからも人間翻訳者の需要が

絶えることはないはずだ....

 

新しい技術が生まれれば、それに付随する仕事が

必ず生まれるものだからだ。

AI翻訳の校正という仕事もそうだ。

 

私が若いころ、ワードやエクセルが出てきて

 

「コンピュータが主要になると、事務員なんて

いらなくなって失業者が増える!」

 

と、どっかの有名な経済紙などもさかんに

書いていた。

はたしてそれがどうなったか

 

今も失業率はほぼ変わらず、シニアの

人たちが仕事に困ることもない(例外はあっても)。

 

ただ、AIが及ばない業界でも仕事が

できるようにしておく必要はある。

 

たとえば、今年私に引き合いがあった翻訳の

分野は論文だったり、雑誌や医療カルテだったのをみると、

まだ、AIでは及ばない範囲だったことがわかる。

 

まだ、私自身も一抹の不安があってはっきりとした

答えがないのだが、

日々研鑽を積むことはもちろんとしても、

ぱたりと仕事がなくなったときの手当ても、

すこしは頭の片隅においておく必要があるな、と

 

彼と話していて、ぐっと胸にきたのだった....

 

 

↓倉敷の森田酒造さんです。

 博物館みたいですが、現役です。

 5月になれば見学できるみたいですよ。