もう今年の夏から、母は話ができないくらい
衰弱してしまった.....。
それでもまだ半分寝たような車いすにのせて
もらって食事をさせてもらっている。
あのお腹の底から張り出すように、
目一杯叫んでいた声は、どこにいったのか
今では不思議なくらい、小さくなって、
眼をあけて、こちらをみるのも
しんどそうだ。
なんとか、こちらの問いかけには
うなずいてくれるので、言ってることは
わかっているらしい。
毎週1,2回、15分の面会に往復で3時間かけて
会いに行っている....。
時間がない、と思うこともあるけれど、
生きていてくれるからこそ、会いに行けるのだと
思う....。
この間、そうして面会時間が終わり、面会室まで
母を迎えに来てくれた介護者の方が、母のことを
「みんな(介護の人たち)
お母さんのこと大好きなんですよ~」
と、話してくださって、私は
「は.....?」
状態に.....
母は、自慢じゃないけれど、これまで7施設を
渡り歩き、どこでも持て余されて、時には
介護の方から、「もうお世話できません!」と
いわれ、体よく追い出されてきた強者なのだ...
なのに、覆いかぶせるように
「ほっとに、すごくやさしいしねえ」
と.....
「へ.....?」
私たち姉妹は、酔っぱらったトラのような母の中に
子供への深い愛情があることを感じながら大きくなった。
だから、外から母がどんなに批判されても、
母を見捨てることはできなかったし、母の厳しい
人生にも同情できた。
でも、その深い愛情は、私たちだけが感じ取れるものだと
信じこんでいた.....。
そんな風に、他人というか、介護の方が感じて
くださっていたことに、なんだか本当に深く心が
揺さぶられて感動してしまい、
帰りながら涙がこぼれた.....。
ここにきて母の本質が、ようやくほかの人にも理解して
もらえるようになったんだな.....
よかった.....
厳しくてつらかった結婚生活も、もう思い出さなくても
いいよ....。
あとは、神様のご判断にゆだねることにしよう....。
↓立派なリフォームをしていただいた実家です