1年半近く、自宅で何も出来ないまま引きこもっていた娘が、
ついに動き始めました。
とある民間の障がい者就労支援施設に通うことにしました。
この施設は、全国各地にあるようですが、長女が通いやすい場所にある
ところの雰囲気を見て決めました。
施設の人と相談して、最初は週に3~4日、朝から昼までの半日を目標に
通うことにしました。
最初から、1日いると、緊張感が強すぎるかな…ということで、本人の希望に
沿って決めました。
それに慣れてきたら、午後まで一日行って過ごすことを目標に・・・。
最終的には、週5日フルで通えるようになることが、就労にステップアップする上で
大切なことだという位置づけで。
施設内で行われることは、最初の頃はそれなりに楽しんでいた長女でしたが、講座などは
話を聞いてみると、すでに自分でもやってみていることだったり、すでに気づいている
事だったり…ということが多く、あまりためになる…という感じはしないなぁ~と
いうのが、本人の感じたところだったようです。
また、キーボードの打ち込みなどは、もともとかなり早いスピードで打てる状態だった為
いつも十分な結果が出てしまう・・・と。ただ、間違いはどうしても出るので、それを気にして
打つようにすると、途端に速度が落ちるなどの問題点にも気づいたようです。
でも、結局そういう面というのは、トレーニングで上達するもの・・・というより、特性だから、
苦手なものなのだ・・・と受け止めるべきもので、無理にマイナス面を意識させると、
過度な緊張で良い結果にはならない…という場合の方が多いのが問題点でした。
施設内のスタッフは数名いましたが、一定の精神障害の方を想定しているのか、
個々のケースに寄り添って、対応してくれているか?と考えると、複雑な面も・・・。
よく、グループで、決めたテーマから話し合いをして、何かしらの案を出す…的な
活動もあったようですが、みなおとなしくて、黙ったまま、時間だけが過ぎて行くので
良く長女が提案してみたり、考えを話してみたり・・・すると、他の方も賛成だ・・・という
ような流れで、決まってしまうことが多いと愚痴っていました。
長女の場合、全体を見て、必要なことを考え出し、言語化することには問題はない
ようでしたが、逆に他の人にペースを合わせるとか、ルールに従って待つなどに
困難を感じる傾向がありそうでした。
皆、何かしら、職場で不適応があったりして、心に傷を負ったり、自信を無くしたり
している人たちなので、自分の考えをはっきりと周りに伝える…ということに、
臆病な場合が多いようでした。
施設内で、そういう活動を通して、はっきりと学べる事があれば良いのですが、
長女には、新たな発見が少ない・・・と感じられたようで・・・。
長女は、無意味と感じることを時間をかけてやらされたり、すぐに結果の出るような
ことに、待たされたり…というのが、苦手な子なのです。
中学もほとんど不登校で、集団になじまず、高校でも超少人数制のところで、過ごして
来ていたので、大学である程度人の顔色を見て、遠慮することは出来るようになって
いても、それを常にやり続けることが、ものすごく強いストレスになる…と感じる様子です。
施設では、数少ないスタッフが、多くの利用者さんたちの話を聞いているわけですから
すぐに対応できない事も多いのです。
それが、長女には、ストレスな様で、さらに、そのルールに従って待った上に報告する
事が、大した内容ではない…と本人が感じることだったりすると、違和感が強くなってしまう
のです。それが怒りに変化していく・・・わけです。
そんな特殊事情もあり、通い始めて半年くらいはまあよかったのですが、それからあとは
もう同じようなことの繰り返し・・・になるので、本人の意欲も徐々に落ちてきているのを
感じました。また、長女から見てまともそうな人だな…と思う人は、たいてい入所してから
半年以内に仕事を決めて出て行く…ということもあり、長くいてはダメだという焦りを
感じるようになって行ったようです。
何度も、スタッフの方と、面談もして、話のすり合わせをして、軌道修正するのですが、
期待しても変わらない・・・など、がっかりすることが多かったり、陰で長女のことを悪く言って
いるのを耳にしてしまっていたり・・・。
特に、途中から、一番偉い所長さんが異動で変わってしまい、新しい担当者が、こちらの
言い分を聞いたふりをしては「でもね・・・~だし、~だよね。」と自分の理論だけを
杓子定規に押し付けてくる・・・と、長女が以前にもまして訴えてくるようになりました。
最初のうちは諫めていたものの、だんだんと元気のなくなっていく娘を見ていると
まずいな…と思うようになりました。
半年過ぎるころからは、具体的に働きたい業種や職種を絞って行き、障害をオープンにして
就職活動をしていくか、クローズでやっていくかについても考えたり、企業の説明を聞きに
行ったり、現実的に就労の仕方について考え決めて行く時期になっていて、少しずつそれを
行っていきます。
長女は、最初に障がい者だけを一か所に集めて就労させるタイプの「特例子会社」のある
大企業の職業見学に行きましたが、そこでは、1年程度の有期雇用で、正社員にはなれず、
誰でもすぐに出来るような単純作業のみをやらされて、それを管理する正社員が数名いて
その管理する正社員が、長女の大学卒くらいの人だったり・・・といった現実を知り、
ああいう環境で長く働くのは自分には耐えられない事だと思ったようです。
何か所か、そういう職場に見学や説明を聞きに行きましたが、どこも似たような感じで、
絶望を感じたと言います。
そこで、作戦の練り直しが必要になってきました。