結局、中学3年生になっても、教室に復帰することはできなかった長女でしたが、
不思議と、自分の参加したい行事には、頑張って体調不良を克服しながら参加する・・・
という価値観を持つ子でした。
本当は、毎年秋に開催される「合唱コンクール」に、何よりも参加したい思いが
あったのですが、合唱というのは、発表会の前に何度もクラス全員で練習を積んで、
仕上げて行く過程があるため、こちらが希望して、放課後個人的に先生に曲を教えて
もらいに通ったり、家で練習したりして、本人が参加する気で頑張っていても、結局は
本番前の全体練習に参加するのが条件・・・というように言われ、それが無理だと、
本番にも参加は難しいと担任から言われ、結局頑張って練習したにも関わらず、本番に
参加はさせてもらえなかったりしました。
1,2年ではまだまだ参加できるほど、元気がなかった長女でしたが、3年生最後のチャンス
ということもあり、せめて1回だけでも参加してみたい!という思いが長女にはあったのですが・・・。
この時も、長女の中には、担任の先生は、優勝したいから、仕上がりを気にして私を
排除したんだ!と、絶望して泣きわめいていましたが、担任の先生の説明としては
事前練習にも出てこない長女が本番だけ出てきて、クラスでの仕上がりの雰囲気を
壊すようなことになり、結果優勝できなかったりすると、長女自身が悪く言われたりする
かもしれないことを心配して…ということでした。
確かに、そういう面もあるのかなぁ?と思いましたが、優勝することより、クラス全員で
参加できたことに価値がある・・・と先生が説明して下されば、良いことではなかったのかな
といまだに、その時のことは、少し苦い思いで思い出すことがあります。
中学って、そういう集団で同じように出来ることを、何より求められる場所だな・・・って
痛感しますね。そこに、個々の良い点を伸ばすという発想は薄く、全体の中でのそつない
パフォーマンスを何より求められる!
それを乱す生徒は、異分子であり、時に排除しても良い・・・という理論を感じ、悲しかったことを思い出します。
そんな長女が、中学最大のイベント(と本人が位置付けていた)修学旅行には、どうしても
参加したい!と、いつになく強い意欲を見せていました。
実は、それ以前にも林間学校のようなイベントの時にも参加したいと直前まで頑張って
調整していたことがあったのですが、この時は自然の中での体力的にも割とハードな
ものであったこともあり、担任の方からも、そんなに無理して参加しなくても良いのでは?と
打診があったり、本人もやはり直前になると体調が悪化したりして、不参加になった・・・と
いうことがありました。
それもあり、参加したかった合唱コンクールにも参加できなかったこともあり、
このままでは、自分の中学生活の思い出が何もなくなってしまう!と焦りも感じたのか、
ずっと学校にも行けていなかった長女なのに、なぜか3年生の修学旅行にだけは、
ものすごく意地になって、何とか体調も整えて(と言ってもかなり無理はしていたと思います)
参加したのです。
もちろん、何かあった時は、連絡が来て、最悪の場合、親が現地まで迎えに行って途中
帰宅・・・となることも了承させられました。
本当は、親も同行して、別の宿に泊まって待機してもらいたい・・・と最初、学校側から
打診されたのですが、さすがに仕事もあるし、費用的にも負担が大きいことなので、
それは無理だとお断りし、まず参加させて頂いて、ダメな時は迎えに行くという条件で
参加を認めて頂いた…という経緯がありました。
ですから、何とか長女が修学旅行に出発できた後も、途中で学校から連絡が来るのでは
ないか?と、落ち着かない時間を過ごしました。
何とか連絡もなく、予定日に無事帰宅した長女を見て、どれだけほっとしたことか・・・。
京都に行ったので、お土産に「八つ橋」を頼んでおいたら、何種類もの「八つ橋」を、
大量に買ってきてくれました。あまりに色んな味のものがあって、どれにしていいか
わからなかった~!!って言いながら・・・。
先生からも報告があり、元気に過ごせていました・・・と。
結局、夜寝るときは、養護教諭と一緒に寝かせてもらったみたいです。それ以外にも
参加を見合わせたところも部分的にはあったようですが、とにかく皆と一緒に修学旅行に
参加できた!という事実は、長女にとっては、ある種の達成感になったようです。
こういった学校行事に関しては、通常はどちらかといえば、不登校の子の場合、参加
したがらない場合の方が多いと思います。
本人が参加したがらない場合は、無理強いはやめた方が良いと思いますが、もし、
長女のように参加したい…という場合は、学校側とも事前に相談して、出来るサポートは
して頂き、なんとか参加して思い出を残させてやることもできるかと思います。
親の負担も、大きくなる場合がありますが、出来る範囲で・・・。