前記事で、不登校やいじめにあっていた娘が
「ネットゲーム」を、心のよりどころにしていた…ということを書きました。
最近は、「ネットゲーム」はすでにすたれてきており、主流は、スマホでできる
「ソーシャルゲーム」へと変わってしまっていますが、当時は、スマホも普及する前で、
「ネットゲーム」の全盛期でした。
私自身は、一度も「ネットゲーム」を経験したことがないので、詳しい内容については
娘から聞いた話だけでしか分からないので、このあたりは突っ込まれてもお答えできない事が多いと思いますが・・・。
当時の「ネットゲーム」には、現実の世界では、満たされないものを抱えた色んな年齢の
人が、集まってグループを作り、その中で仮想社会ながら、コミュニティーが作れる場だったようです。
娘も、小学生だった当時、とあるネトゲのギルドに参加し、高校生や20代、30代の
かなり年齢の違うメンバーにも、ネトゲ内でのチャット機能で相手をしてもらい、
もともと、言葉や反応にはかなり長けていたところもあったのか、ネトゲのギルド内では
メンバーたちから可愛がってもらい、そこで、現実世界とは全く別の、「温かい」コミュニティを
感じていたのだろうと思います。
当時は、そういう詳しいことも理解できず、私は、ネットゲームこそが、不登校の諸悪の根源
かのように感じて、それさえ封印すれば、娘は普通に戻る!と・・・信じていました。
だから、ネトゲにハマる原因である、娘にPCを与えてしまった父親にも、怒りを感じて居ました。
父親に相談して、一定の時間以外は、PCをスリープ状態にして使えないように設定してもらったりも・・・
ところが、賢い娘は、すぐにそのロック機能をやすやすと解除してしまうのです。
完全に長女の方が上手でした。
当時は、安易に娘にPCを与えてしまった父親にたいして、憎しみさえ感じていましたが、
今になって思えば、当時、居場所がなかった娘にとって、人との交流ができ、いろいろ
教えてもらえる場所が、「ネットゲーム」という世界にあって、良かったと・・・。
本来は、その時に親がわが子の変化にもっと根本から向き合って、まずはわが子の本音を理解してやったり、
不登校を責めるのではなくて、受容してやれれば、それが一番なのですが・・・。
実際のところ、親もわが子が不登校になったすぐの頃というのは、何が起こっているのか把握しきれない状況ですし、
なかなか「正しい対応」が出来ない場合が多いと思うので、何かしらわが子が心のよりどころにできる場所?のような
ものが、存在してくれることで、子ども自身がバランスを取って行けるということなのですよね。
当時、ネトゲ内で仲良くしてくれていた仲間の中には、その後、娘が本格的な不登校になった後も、
定期的に会いに来てくれる人もいましたし、いろいろサポートしてくれる人も現れました。
ここで、娘が仲良くなった相手は、様々な年代の人がいましたが、共通しているのは、
どんな社会生活を送っているにせよ、何かしら現実社会に「生き辛さ」を抱えている・・・そんな人たちだったようです。
だからこそ、年齢も、社会的立場も、男女の別も、既婚・未婚の別も関係なく、ただただ、仲間として
受け入れてくれる・・・そんなネトゲのギルト仲間たちの存在は、それぞれにとって「大切なたまり場」だったのでしょう。
娘も、学校という場所では、周りとうまくやれなかったけれど、ネトゲの世界を通じて、
自分を肯定してくれる経験ができたことは、とてもためになったと自ら振り返って言っています。
あの頃の私は、学校に行かなければ、社会性が身につかない!勉強も学べない!
もう、娘の将来は絶望だ!!と、かなり思い詰めていました。
でも、今ならわかります。
居場所なんて、学校以外にいくらでもあるんです。
どこでもいい。その子が、本当に安心していられる場所が、必要なんですよね。
安心できる場所が、おうちの中にあれば、そこでもOK。
他の場所でもOK。
決して、登校支援指導室でもなければ、フリースクールでもない場所であっても・・・。
学校に行くことに、辛さがある子に、それを強いるのは、長い目で見て、
決してその子のためになることではないんですよね。
そこに、親が、いかに早く気づいてあげられるか・・・が、実はとっても大切だったりします。