今頃だけど、レンタルブルーレイにて、映画『ビリギャル』を見ました。


感想としては、かな~りスカッとする映画ですね。


映画の告知宣伝では、コミカルな所ばかり強調されてしまっていたので、作品の本当に


伝えたかったテーマが少しボケてしまっていた感があり、残念だったなぁ~と感じました。



ただ、どうしても、事実だけを一言で表せば、


「偏差値30の学年ビリのギャルが、1年で偏差値40あげて慶応大学に現役合格した話」


なのですが、実際には、偏差値はともかく、もともと私立の中高一貫校に受験して入れる


程度の地頭があった生徒であった事とか、一年ではなく、実際には2年近く前から個別指導


塾に通って、途中からは週6日もの通塾生活をしていた事とか、1年で偏差値40あげたと


いうのもちょっと誇張表現で、実際には、日本史や小論文対策で、かなり手こずっていて、


最後までほとんど合格できるような模試判定は出ていなかった事・・・など、結果的には


運よく記念受験のつもりだった学部に奇跡的に合格出来たけど、本当に伝えたかったのは、


その事ではないのだろうな・・・というのは、作品から伝わってきました。


そもそも私の感覚では、大学名で目標絞るのは、入学後、やりたい事と違ったりするリスク


があるので、専攻する学部&学科がまず先にありき!と思う方なので、その辺にも考え方


の違いはあるのですけどね。(実際、モデルとなった女子は入学後大学内でかなり苦戦して


いるといううわさもありましたし・・・。)



家庭内の問題しかり、学校側の生徒たちに対する接し方の問題しかり、友人との問題やら、


塾生同士での影響など、まさに「相互作用」という言葉がぴったりなぁ~と感じる内容でした。



主人公さやかの母「あーちゃん」の娘に対する接し方、対応の仕方が最も考えさせられる


ポイントだったかな。なかなか、ああいう風には、接する事が出来ないですから・・・。


色々自分なりに、反省させられる事、多かったです。



さやかの父親の描き方も、不完全なところが目立つ人間ながら、そこに良い面も必ず入れ


て「悪」にはしきっていないところが、描き方として救われる点でした。



普通、あれくらい家庭内に問題を抱えていたら、ビリギャルみたいな話の流れにはならない


ことが、多いのでは?と感じますが、母親の考え方や行動が家族に与える影響が大きいの


だということは、改めて感じさせられますね。


ただ、3人きょうだいの真ん中の子であるびりぎゃる=さやかさん の下にも中学生の妹


さんがいるのですが、彼女がかなりお姉さんの夢のための犠牲になっている感があり、


そこもちょっと気になってしまいました。あとあと、問題にならないのかなぁ~って・・・。



表面的にはサクセスストーリーですし、頑張る本気が感動を呼ぶ・・・という一種日本人が


好きなタイプのストーリーである事は間違いないのですが、頑張りたくても頑張れない・・・


そういうタイプの生き辛さを感じている子たちにとっては、ちょっと押しつけがましい内容


なのかもしれません。



私のような、単純なオツムの人間には、思ったよりもずっと良い作品だった・・・と素直に


思えるのですけどね。


映画後半は、かなり泣きました。


母親の立場になって、時には塾の先生の立場になって、色々感じるところがあり、ぐっと


来るシーンが多かったです。


正直、こんなに泣かされるとは思いませんでした・・・。



これが、世間的にも、思ったより良かった・・・・という感想が多く聞かれた理由だったんだ


な・・・と、実感できましたよ。



色々、都合良い流れになっている点があるのは、否めませんが、やはり人が限界を自ら


打ち破って、努力している姿は、周りにも必ず良い影響を与えるものですね。それは、


とても実感できます。



私自身、現象を真に受けやすい人間なのかもしれませんが、素直に鑑賞後、すがすがしい


思いが残りました。