急に本でも読みたいな・・・と思って、図書館に行き、借りて

きた中の一冊です。


今日の午後が、すっかり読書タイムでした(^▽^;)


「パラサイト・シングル」「格差社会」などで有名な家族社会学

者である山田昌弘教授と、結婚・恋愛・少子化をテーマに、

活動を続けるジャーナリスト白河桃子さんの共著です。


「婚活」時代 (ディスカヴァー携書)/山田 昌弘
¥1,050
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いやぁ~、既に結婚も子育ても、経験どっぷりな私にとって、

何が面白くてこの本を読んでみようと思ったか・・・というと・・・。



職場には、20代~40代の独身同僚の多いこと、多いこと・・・。


20代なら別に普通だろう・・・と思うものの、30代半ばになっても

さらには、40過ぎても、全く動きのない方がどうしてこうも多いの

か?


そして、男性既婚者は、専任教諭には多いものの、女性の既婚者

は、講師の立場であっても、かなりの少数派である現実は、果たして

一般的なことなのか?


そんな、素朴な疑問を最近ぼんやりと持っていたものですから、

ちょっと気になっていたのもあって・・・。


何が一番、不思議って、まあ、男性で専任教諭ではない講師という

立場の方が独身でいらっしゃるのは、経済的事情であろう・・・と、

察する事が出来ますが、経済的には安定した立場である専任教諭

の中にも、ずっと独身生活を続ける方が決して少なくないのも、不思議。


若い方々も、しょっちゅう飲み会だ何だと、合コンみたいな事を企画して

は、集まっているみたいなのに、その割りには、カップルが生まれた・・・

という話も殆どないし、でも、皆仲良しそうだし・・・。これも不思議な現象

だな・・・なんて思っていたりして・・・。


いや、実際、うちの夫よりも、ずっとまともに結婚生活を営んでいけそう

な人がいっぱいいるじゃないですか~。なのに、もったいないな~なんて

思いも複雑に絡み合ったりしてね・・・σ(^_^;)



数時間で、殆ど読み終えてしまいました、この本。


いや~、私達の結婚適齢期の頃とは、社会的な背景も、人々の心理も、

随分と変わってきているのですね~。


指摘されてみて、なるほど・・・と思うのは、男女ともに、昔からの結婚に

対する固定観念に縛られている事。


女性は、自分を養ってくれる程度の収入がある人で、かつ尊敬できる

人を相手に望み・・・、


一方男性は?というと、軟弱化が進み、いまや一昔前の女性の理想の

ような、結婚しても一人前に働いて稼いでくれる人が理想だとか・・・。


専業主婦になりたい!なんていう人は、歓迎されないそうです。


でも、その一方、男性は、家事や子育てに、より積極的に負担を引き受け

ようとしてくれるのか?というと、そうでもなく、自分の親がやってきたように、

そういう事は基本的に妻の仕事で、自分はせいぜいお手伝い程度しか、

考えていない・・・とか。


結婚も、就職も、自由化が進んで、結婚適齢期も絞りにくい時代になり、

そこに、正規雇用にありつけない男性(もちろん女性もだけど)の増加が

さらに足を引っ張り、皆が結婚に対して及び腰になってしまっている・・・

という現象があるのだそうです。


へ~っ、そうなんだ~と・・・。


確かに、就職超氷河期といわれる時代以降の若者(30代半ば以降)で

は、それまでのバブル期までのような右肩上がりの収入増加も見込め

なくなり、その上、定職にもつけず、先の生活に何の保障も持てない・・・

という現実に直面している事が多いのでしょう。


富裕層・貧困層の二極分化が、かなりの勢いで進んでいる・・・というのも

事実なのでしょう。


考えてみれば、確かに、私達の結婚適齢期といわれる時代は、とても

短く限定され、どんな職種の人でも、年齢が若ければ、大した給料は

もらえてないものの、必ず年齢とともに、右肩上がりに収入は増え、それ

なりに家族で生活できるようになるものだ・・・という楽観視が、世の中に

当たり前のようにありました。


だから、対して先のことを心配することなく、若さゆえの勢いで、結婚も

してしまう事が出来ました。

(そのおかげで、今、中年になって苦労しているわけだけど・・・)


女性の社会進出も、かなり限られていたし、まだまだ、子どもが出来たら

女性は家庭に入るもの・・・という常識もはびこっていました。

(だから、私も、出産後不当解雇・・・という憂き目を見たのだしね・・・)



そういう常識だと思っていたことが、本当にこの20年くらいの間で、がらっと

変化してきて、これから結婚し、子どもを生んで育てていこうという世代が、

自分達の将来に、明るい予想を持てなくなってきた事は、確かに深刻な問題

なのかも知れません・・・。



あと、面白いな~と思ったのは、


日本人男性は、「ガラスの王子様」と表現され、そういう扱いにくい男性を相手に

努力を強いられる日本女性は、外国へ行くと、他の東洋女性よりも格段に

モテルのだとか・・・。


反対に、女性に対して、積極性もなければ、気も利かず、そういう努力を

積み重ねる経験の皆無な状態である日本男性は、世界一モテナイ君なのだ

そうです。


この辺は、読んでいて痛快!!でした~。


日本国内で、結婚を・・・と拘ると、苦戦を強いられるが、外国に出れば、

日本女性は、安泰のようですね。

ただし、経済的には、やはり、自分で稼げるようにしておいた方が、何かと

いろんな保障にはなるらしいけど・・・。



その他にも、色々と、興味深い現象が書いてあったけど、現代の若者を

知るには、大変為になる一冊だったと思います~。


そして、現代の婚活に必要なものは、


男性にとっては、状況に流される勇気と、魅力的になる自助努力


女性にとっては、養われたい願望をなくし、自分も働いて一緒に頑張って

行こう!という決意

さらに、最初にきっかけを作るのも、女性の方から・・・という勇気が必要

・・・。


なんだそうです。



ふ~ん、なるほどね・・・。




政府は少子化対策のためと、子どもの預け先の確保にばかり対策を

進めているけど、それより、結婚しない人が増えている現実にもっと

目を向けるべきでは?と、著者は言っています。


それも、結婚したくないのではなく、したくても出来ないのです。


だからこそ、皆が一生懸命に、就職活動ならぬ結婚活動すなわち

『婚活』をする必要が出てきたのだと。


この国の将来を真剣に考えるなら、若い世代が、夢を持って結婚し、

家庭を持って次世代を育てて行ける、経済的安定のある世の中に

して行かないと、良い方向へは行かないのでしょうね。


小泉元総理が、強力に推し進めてきた非正規雇用の拡大による職の

確保・・・というやり方は、次の世代に大きなツケを残しているのかも

しれません。


昭和の時代よりも、自由民主主義がより色濃くなった平成の時代に

私達日本人が失ってしまったものは、なんなのでしょうね。