こちらの記事の続きです。
ブラウン管式のモニタやTVの内部には高電圧がかかった部分があります。
感電すると最悪命を落とす可能性すらありますので、絶対にマネしないでください。
ビデオ入出力端子をまとめている背面基板を見直しましたが、はんだブリッジやはんだ不足等の不具合はありませんでした。
ついでにパターンを追ってどんな回路なのかおおよその機能を調べてみましたが、次のような機能を実装しているだけで、同期信号を個別に扱っていそうな場所は見当たりませんでした。
・チューナー/ビデオ入力1/ビデオ入力2の切り替え
・モニタ音声出力のソース切り替え
・コンポジットビデオ信号のY/C分離
この基板で選択した映像信号はY/C信号に分離されて、前回の記事でいうところの制御基板に入れられています。
制御基板で水平同期信号と垂直同期信号が分離されて底面にある基板に入力されているようです。
(ブラウン管の基板につながっているコードも生えてたのでY/C信号からRGB信号への変換もしているんでしょうけど、今回の修理には関係なさそうなので未調査です)
○底面基板にあるマイコン
Webで検索すると、ビデオ入力映像が安定しなくなるのはこのチップの故障が原因のようです。
まだメーカーが修理を受け付けていた頃は、こういう現象で修理に出すとこのチップが交換されていたんだとか。
(どるこむ過去ログ:pc-98にある[37870]「PC-tm151のTV機能のトラブルについて」という記事にそのような記述がありました。
リンクを張っていいのか不明だったので検索キーワードだけ記載しておきます。)
【12/18追記】
うちの子の故障の原因は別のICでした。詳細はこちら。
うちの子はTV/ビデオ入力だけが映りませんでしたが、件の記事ではRGB入力もダメになっていたとのことなので、根本的に原因が異なる故障だったようです。
【12/18追記終わり】
幸い、AVモニタ出力に選択したビデオ入力端子になにも信号が入力されていなければ、RGB画面に映像ノイズが出ることもないみたいです。
我が家のPC-TM151は現在ビデオ入力を使っていませんから実害はありません。
既にメーカーも修理を受け付けていませんし、この現象を直すのは諦めます。
件の電解液を被っていたツェナーダイオードと抵抗、セラミックコンデンサを新品に交換しました。
(あ、前回の記事では触れていませんでしたが、問題の電解コンデンサと並んで付いているセラミックコンデンサも電解液を被っていました)
既に四級塩コンデンサが使われていた実績があるため制御基板を見渡したところ、お漏らししていたものと同じ型番のコンデンサがほかにもありました。
・ロット番号/デートコードが同じもの:2個
・ロット番号/デートコードは違うもの:3個
現時点ではこの子たちはお漏らししている様子はありませんでしたが、念のためこの子たちも交換しておきました。
◇◇◇
前回の記事で交換したコンデンサ経由で電源を得ていたCMOS-ICのパターンを辿ってみたら水平同期信号を作っていました。
このモニタは同期信号が入らないとスタンバイ状態から復帰しないので、映らなくなった(というかスタンバイモードから抜けられなくなった)原因は前回の記事で交換したコンデンサの容量抜けで間違いないようです。
CMOS-ICはワンショットトリガでしたから時定数回路がつながっています。
電解コンデンサの容量がなくなってツェナーダイオードだけになったシャントレギュレータでは時定数回路の充放電に耐えられなかったのでしょう。
垂直同期信号は制御基板上にある大きなICで作っているようでした。
この辺にビデオ信号が正常に表示できない原因が潜んでいる可能性もあるのですが、脚が多くて機能の推測が全然できません。
やっぱりビデオ入力の修理は諦めですね。
メンテナンスノートか、せめて回路図があれば何とかなるかもしれませんけど…。
RGB信号は正常でTV/ビデオ入力の表示がおかしくなることは腑に落ちませんが、ブラウン管周りには触りたくないので、これで修理は完了とします。
【'23/1/8追記】
また映らなくなったので再度対応しました。記事はこちら。
【'23/1/8追記終わり】
以下、個人的備忘録
お漏らししていたコンデンサは
Marcon/CE-US/9514/5DM