今日はPC-88VA(初代)の修理をしました。

 

元々は拡張スロットに挿されていたビデオボードとキーボードが目当てで入手した本体です。

 

ビデオボードは当初の予定通り こちらで修理したPC-88VA2 に移植しました。

キーボードは こちらで修理が完了したもう1台のPC-88VA2 で使うつもりでした。

 

ですが、一応メインボードを見たらけっこう(いや、かなり)状態が良かったんですよね(^^;;;

 

○PC-88VAメインボード Ni-Cd充電池周辺

 

PC-88系が壊れる一番の原因はNi-Cd充電池の液漏れです。

PC-88VAでも使われていますのでその周辺を見てみましたが結構綺麗です。

(写真はNi-Cd充電池を外した後の状態です)

これはもしかして比較的簡単に直せるかもしれません。

 

導通しているか見た目で怪しいパターンをテスタでチェックしていくと3本ほど導通していないパターンがありました。

 

○パターン補修後

 

導通していないパターンをラッピングワイヤやポリウレタン銅線で補修した後です。

ランド同志で繋ぐ場合はラッピングワイヤ、VIAを使う場合はφ0.3mmのポリウレタン銅線を使っています。

 

Ni-Cd充電池の周辺のICを一度取り外してランドをきれいに磨いた後再度はんだ付けして、元通り組み直したら、無事直りました。

これで使えるようになったので、FDDのクリーニングも行ないました。

 

◇◇◇

 

せっかくなので、パターンの導通を確認したときに外した部品の下にあるパターンの写真も備忘録的に残しておきます。

同じような修理をする方は、この写真を見れば部品を外す手間が省けるかもしれません。

 

○CPU(μPD9002)の下

 

あれ、クロック生成用の水晶は15.9744MHzなんですね。

ということはCPUクロックは7.9872MHzですか。ぴったり8MHzじゃないんだ…。

 

○キーボードコントローラ(μPD7811CW)の下

 

この配線を見ると、キーボードコントローラーとしてμPD7811を使うのはオーバースペックなんじゃないの?という気がします。

 

μPD7811は5つの8bit汎用I/Oポートと8チャンネルのA/Dコンバータ、USARTと4KBのマスクROMを持つマイコンです。

PC-88VA系のキーボードコントローラはマトリックススキャンとキーコードスキャンを同時に使えるようになっているので、てっきりポート二つを使ってそれぞれマトリックススキャンデータとキーコードスキャンデータを出力していると想像していました。

 

しかし、パターンを見るとUSARTとポートDしか使っていません。

USARTはキーボードからのデータ受信に使っているので、ポートDがキーボードからのシリアルデータを8bitパラレルに戻したデータの出力ということになります。

ポートDはそのまま下にあるゲートアレイに繋がっているので、ゲートアレイでマトリックススキャンとキーコードスキャンの同時使用を実現しているみたいですね。

 

USARTと8bit汎用I/Oポートが一つあれば足りるなら8051でも良かったんじゃないかと思うんだけど…、自社製品を使いたかったのかな?(苦笑

 

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さて、PC-88VAも直せたので2台あるVA2のうち1台は処分しましょうかね。

どうせ2台持つなら違うモデルの方がいろいろと都合がいいし。