今日はNEC製データレコーダPC-6082(DR-320)の修理です。

○DR-320
DR-320

前にオクで2台手に入れていたんですが、どちらも不動品でした。

一方は中のベルトが切れているらしく再生ボタンを押すと「プイ~ン」というモーターの回転音がするだけでテープが回らず。もう一方は内部の駆動音は聞こえるもののテープが回らず、そのうちに再生ボタンが勝手に戻ってしまう状態(テープエンドにいったときの動作)でした。

両方分解して内部を見たところ、前者はやはりベルト切れでした。
もう一方はベルトは補修したらしくオレンジ色のベルトがかかっていました。

ベルトがないとどうしようもないのでベルトがないほうはとりあえず放置して、ベルトが補修してあるほうの修理にチャレンジしてみます。

○DR320メカ部
DR-320メカ部

取り出したメカ部です。

取り出す前に制御部基板に繋いだまま電源を入れて動作を確認したところ、ヘッド部をテープに降ろす途中で別の部品に引っかかって途中で止まってしまい、テープのリールを巻く部品に動力が伝わらず、そのままテープエンド検出機構が働いてしまう、ということがわかりました。

○原因の部品
原因の部品

これがヘッド部が引っかかってしまう部品です(赤丸部分)。
触ってみてもびくともしません。

なんでかな~、とメカ部を分解していくと、この部品は固定軸を中心に天秤のように動くはずなんですが、指で押しても動かないほどものすごく硬くなっていました。

○固定軸のグリス固着
原因のグリス固着

プラスチック部品(写真手前の白い棒のようなもの)を外してみると、グリスががちがちに固まっています(赤丸部分)。
これじゃ動くものも動きません。
外すときも指で引っ張っても全く動かず、マイナスドライバをてこのように使ってやっと持ち上がったほどです。

固着したグリスを除去して新しいグリスを差したら、軽く指で押すだけで動くようになりました。

元通り組み立てなおして、念のため制御部基板の電解コンデンサも総交換しました。

テープを再生してみると、今度は勝手に再生ボタンが戻ることもなく、音声も再生されました。
無事メカ部は修理できたようです。

しかし、再生している音声が本来より少し遅く、しかも聴いてわかるほどのワウフラッターがあります。
試しにPC-88に繋いでセーブ&ロードしてみますが、やはりロードできませんでした。

もう一台のほうのメカ部も同じところのグリスが固着していたので、同じように清掃&グリス注入してベルトを移植してみますが、やはり症状は同じです。
手に入れた2台とも同じ場所のグリスが同じように固くなっていたけど、もしかしてこのモデルはみんな同じ問題を抱えているんでしょうか?

制御部基板の修理が足りないのかベルトが合っていないのか現状では切り分けができませんので、合いそうなサイズのベルトを注文して今日はおしまいです。

PC-88で使うなら同じNEC製のこのレコーダの方が本体とデザインが揃ってかっこいいな、と思っているので、できればこのレコーダは直して使いたいんだけど、直せるかなぁ。直せるといいなぁ。

【2/29追記】
こちらの記事 でテープスピードの検証をしました。
【2/29追記終わり】