うつ病になると、エンドレスで嫌なことが頭に浮かびます。

他人から言われた何気ない一言でさえも、普段なら何とも思わなくても、脳内で勝手に変換装置が働きます。

どんな変換装置かと言うと、言葉を究極のマイナス方向に捉えてしまう変換装置です。

そして、自分が脳内で勝手に変換した言葉で、さらにマイナスの言葉を頭の中で引き寄せ、あぁ、やっぱり自分はダメなんだ、自分なんて生きていてはいけない人間なんだ、と希死念願望、というかもはや、死に対する義務感のようなものが生まれてきてしまいます。

嫌なとこが頭から離れない。

そんな時、どうすれば良いのでしょうか。

大学時代、臨床心理学のゼミを専攻していたのですが、そのとき精神科医でもある、認知行動療法の先生がこう教えて下さいました。

嫌なことを、「シロクマ」に例えてください。
いいですか、今から、「シロクマ」を忘れてくださいね?
10秒で、「シロクマ」を忘れてくださいね?
はい、10秒経ちました。
「シロクマ」のことを忘れられましたか?

いやいや、先生。
こんなシロクマ、シロクマ言われたら、しかも最後にトドメのシロクマ言われたら、、その度に頭に浮かんできて、忘れられませんよ。

そうなんです、私たちの脳は忘れなきゃ、ということに固執している時はどうやったって忘れられないのです。

そこで、「シロクマ」を流氷に乗せて、海に流しましょう。

嫌なこと、嫌な感情、つまり「シロクマ」が思い浮かんだら。

流氷を思い浮かべて、その上にシロクマをそっと乗せてあげてください。

嫌な感情、嫌な思い出、マイナスの感情をもたらす、あなたのシロクマを、一つづつ、流氷の上に乗せていってください。

流氷は、自然に流れるものなので、人間が無理やりコントロールできるものではありません。

ただ、その嫌な感情、マイナスのシロクマが、流れていくのを、観察します。

流氷の流れをせき止めよう、どうにかして無理くりシロクマを向こうにやってしまおう。

私たちはついつい、そうやってシロクマの乗った流氷を強制的にコントロールしようとしてしまいますが、ただ眺める、それだけでいいのです。

それが、受容の第一歩で、嫌なことを忘れる第一歩でもあります。

そして、だんだんシロクマに固執しなくなってきた頃に、シロクマの影は薄くなってきます。

(先生が例えていたのは、川の流れに葉っぱを流し、葉っぱの上に感情を乗せて流す、でしたが、私はこちらのシロクマの方が分かりやすいと思ったので表現を変えています。)