有難い事に、大学4年の秋、ゼミの後輩から告白されました。

でも当時うつ病がまだ治ったわけではなく、まだ大量の薬を服用していて気分もムラがあり、自分では難しいかもしれないと思っていました。

私はうつ病で、迷惑をかけてしまうかもしれない、初めての彼女なら、もっと普通の女の子と付き合った方が良いのでないか。

そう言うと、彼は

それでも私がいい

と言ってくれました。

そんな彼氏さん、私がゼミに誘って、同じうつの研究をしていました。

私はマインドフルネスと言って、ざっくり書くと、過去や未来にこだわるのではなく、今この瞬間を大切にする、という考えについて研究していました。
(それでもうつ病にかかるんですね)

彼は瞑想と抑うつ状態に、ついて研究していました。

専門学校の帰り道に、電話がかかってきました。

大事な話がある。

…おや、これは別れるフラグか。そうか、私もとうとう捨てられるのか、と嫌々電話に出ました。

「俺、タイに出家する」

………

しばらく思考が停止しました。

タイに、出家、そんなパワーワードいきなりぶん投げられても受け取れません。

ええ、ちょっと待って、どいうことなの、と聞くと、どうやら瞑想の研究をしているうちに、もっと深く学びたくなったようなのです。

いや、ちょっと待って、出家ってもう2度と会えないってこと?臨床心理士になる夢はどうしたの?と聞くと、

どうやらタイには、二度と俗世に帰ってこれないガチ出家と、タイの一般男性が皆やる、一生に一度は出家して俗世に帰ってくるお手軽出家がある、と。

そのお手軽出家の方を、どうしても、やりたい。あくまで臨床心理士になるため、少しでも多くの人を救いたい、それが彼の願いでした。

タイじゃなきゃダメなの?日本は?今海外で日本人が人質に取られてるしテロも多いし危ないんじゃないの?と聞くと、

日本だと自分に甘えてしまうから、タイなら携帯も使えないし、全て忘れて出家に集中したい。一年だけだし、待ってろとは言わない。

もう、そこまで固い意志で言われたら止めることもできませんでした。

人生一度きり、自分のやりたいことをやって下さい、と空港までお見送りしました。

その後私が寂しさのあまり耐えられなくなり、彼とはお別れしてしまったのですが、出家されるのが相当なストレスだったようで、この時が一番人生で太っていました。

もともと39キロだった体重も65キロまで増加してしまいました。