体の異変を感じたのは、就職活動を控えた大学3年の冬前でした。
それまでは学校にバイトに、忙しいながらも楽しくて充実した日々を送っていました。

秋に何があったのか?

それは、祖父母との同居です。
もちろん、私もとても楽しみにしていました。
今まで離れて暮らしていた、大好きな祖父母とまた一緒に暮らせると思うと、とてもうれしくて、引っ越しの手伝いにも行きました。

両親は昔から共働きで、あまり遊んでくれず、いつも兄弟で遊んで祖父母に面倒を見てもらっていました。


しかし、同居してから暫くして、異変が起きます。

祖父はもともと、いかにも九州男児、という感じの人で、自分が絶対、固執した考えを持つ人でした。
かなり厳しい家で育ったらしく、父にも暴言暴力は当たり前、そういう育て方しか出来ない人です。

前からそうだったのですが、テレビを見てすぐに
「こいつは死刑じゃ」
「あかん、殺せ」
などと、だんだんと、人の悪口が酷くなってきました。
最初はきっとスレトスの捌け口がない、少し可哀想な人だな、と思っていたのですが、あまりにも酷くなってきたので、だんだん祖父の口から黒いものが見えるようなものが気がしてきました。
ましてや、一緒に食事してテレビを見ている際に毎日毎日言われるので、だんだんと私の気が滅入ってきました。

更に、祖母に異変が起きはじめました。

母に、「私のお皿どこにやったん!!」と、物凄い形相で当たるようになってしまったのです。
誰も祖母のお皿なんて触ってないし、何かおかしい。
高齢のため、認知症が始まったようでした。

何で、自分の大好きな家族が、家の中で嫌いじゃないのに傷つけ合わなければならないのか。

少しずつ、自分の心が壊れていくのを感じました。

最初はバイトの疲れなのかな、夜眠れなかった、という日々が続いて、少しおかしいな、位にしか思っていませんでした。

しかし、何日も全然眠れない、布団に入ると勝手に涙が出てくる、ご飯を食べても味がわからない、など、あれ、おかしいと思うことが増えてきました。

だんだんと、私はリビングで食事をすることを辞め、祖父母を避けて生活するようになり、部屋に引きこもりっぱなし、寝たきりの生活になってしまいました。

しかし、厳しい祖父に育てられた、これまた厳しい父が、そんな私を見兼ねてある日部屋に殴り込んできました。
最近、お前おかしいぞ、どうしたいんだ。
そう聞かれて、私は、ただ、泣きながらこうひとことボソリと言いました。

「死にたいです。」

その瞬間、胸ぐらを掴まれ、顔面を思いっきり殴られました。

大事に大事に育ててきた娘が、何でそんなことを言うのか。
父には理解できなかったので、思わず手が出てしまったんだと思います。
父も祖父の影響で、幼少の頃から口でわからなければ手を出すまで、という教育方針で私たちを育ててきました。

私は幼少の時、怒鳴られて殴られている間は、これは父ではない、恐怖政治で支配したがる暴君だ、少し我慢すれば、優しい父に戻るから耐えればいいだけ、と思っていました。

しかし、当時の私にはまた怒鳴り声をあげられて、殴られる日々に戻るのか、と父が恐怖でしかありませんでした。
怖くて怖くて仕方がなく、もうトイレ以外部屋から一歩も出れませんでした。
そのうち、なるべくならトイレも行きたくない、と失禁もするよになってしまいました。
お風呂も誰かと会うかもしれないと思うと入る気にもなれませんでした。

ただただ布団の中でぼーっと過ごし、勝手に溢れてくる涙を抑えることもせず、ひたすら時が過ぎるのを待ちました。

考えることはただ一つ。

「早く死ななければ。」

どうして、こんな自分が生きているのか。
いや、こんな何の価値もない人間生きていて良いはずがない。
私は家族の重荷でしかない。
何で生まれてきてしまったのだろう。
生まれてきてしまって、ごめんなさい。
早く死んで、みんなの負担を減らさなけばいけない。
でも、幾らかかるか分からないけど、きっと私の貯金ではお葬式代も出せないなぁ。
それも迷惑だけど、とにかく生きていてはいけない。
どうやって死ぬのが一番迷惑にならないんだろう。
昔先生が、人間どうやって自殺しても失禁脱糞、死体がぐちゃぐちゃだったり、綺麗には死ねないと言っていたなぁ。
電車に飛び込んだりしたら駅員さん大変だし、家にお金が請求されて、家族に迷惑がかかるからできないな。

頭のか中では、ずっと死ぬことしか、考えられませんでした。

検索したことある人なら分かると思いますが、自殺サイトって検索すると命のセーフティーネットが出てくるんですね。

私はなかなかどうやって死ねばいいか決められませんでした。

死ぬのにも、行動する気力と体力が要りますが、当時の私にはその元気すらありませんでした。

そして、精神科に無理矢理連れていかれました。

眠れない、ご飯の味がしない、悲しくないのに涙が勝手に出てくる、寝たきりで何もやる気が起きない。

診断名は、うつ病でした。

もともと人のことを気にしすぎ、頑張り屋、気を使いすぎ、完璧主義、生真面目、などうつになりやすい要素がたくさんあった私は、どっぷり、うつになって毎日大量の抗うつ薬と精神安定剤、睡眠薬を飲む生活を始めました。

はじめまして、うつ病。