自分が死にたいと言ったのに、私も昔うつ病で死にたかったと言ったら予想外でびっくりした後輩ちゃん。

昔話をしてもいいかな、と私は自分の経験を話し始めました。



「父親にね、面と向かって、



『死にたいです』



って言ったのよ。そしたらね、胸ぐら掴まれて、思いっきり顔をぶん殴られたの。」


え……と彼女は少し引いていました。笑
しかもいきなり話をすっ飛ばし過ぎました。笑


「昔からね、体罰だって言っては手を挙げる父親だったの。まぁ今ほど体罰に厳しくなかったしね。泣き叫んでも、母も助けてくれないし、いくら大声で泣き叫んでも、田舎すぎて、ご近所さんが何百メートルも離れてるから、声なんて聞こえっこないのよね。殴るのは、教育なんだって。口で言っても分からないんだから手が出るのは当然だろうって。でもよく、口で言う前に普通に手が出てたけどね。笑」


「……」


この辺から彼女は黙ってしまいました。


「父も昔祖父から同じように暴力受けていたから、それが当然って感じだったのよ。片耳がほとんど聞こえなくなるまで竹刀で殴られたり、身体中アザだらけ傷だらけにされて、口でも罵倒されたり、そういう家だったの。」


「……」


彼女は何と言っていいか分からず、ただただ困惑の目を私に向けていました。


「ど、、どうして死にたくなったんですか?」


「うーーん、もともと私はうつ病になりやすい性格だったのよね。完璧主義で、クソがつくほど真面目で、常にいい子ちゃんでいることを期待されたし、自分もそうでありたかった。反抗期なんてなくて、両親や学校の先生の顔色を伺って、どうやったら殴られたり怒られたりしないか、そればっかり考えてたの。でも、うつ病のキッカケは、祖父母と同居を始めてから、かな。バイトのこともあったけど、引き金はそれだと思う。まぁ引き金なんて後から考えたら祖父母じゃなくてもなっていたよね。何がキッカケにせよ、前の性格と思考だったら、どの道私はうつ病を経験することになってたと思う。で、大好きだった祖父母と元々離れて暮らしていたんだけど、父が長男だから、歳をとってきた祖父母と暮らすことになって。最初は本当に嬉しかった。今まで全然会えてなかったけど、幼少期一緒に暮らしてたから、また一緒に住めるんだって。両親が仕事に追われていたから、育ての親みたいなものよね。」


「…なのにうつ病になっちゃったんですか…?」


「不思議だよね、大好きだったのに、一緒に暮らすとそうじゃなくなっちゃって。祖父母は当時たぶんどちらも精神病だったんじゃないかな、人が変わってしまっていてね。祖父はまぁ、もともと父に暴力振るっていたり口が悪かったりしたけど、それでも私にとっては困るけどいいおじいちゃん、だった。」


「………」


「一緒に暮らしてすぐに、居間で食事を一緒に取るとテレビに向かって物凄い悪口を言う祖父が目に付くようになっちゃったの。すぐテレビの中の人に向かって、こんなヤツ死んだらええんじゃ、ぶっ殺したろか、って。昔からそんなだったし、最初は我慢して聞いていたけど、永遠とそういうことばっかり言っているから私も気が滅入ってしまって、、、当時就活前で焦っていた私は、とにかく全てに余裕がなくて、、、バイトでも大きいミスをしてしまって、とても落ち込んでいたの。お客様を大大大激怒させてしまって、店長に謝ったんだけど、うまくいかなくて、、、もう本当に私は土下座したいくらい申し訳なく思っていますって言ったら、土下座したいならしてもいいんだよって言われて。何かがプツンと切れて、頭を床に擦り付けて土下座したの。涙が止まらなかったよね。バイトなのに尋常じゃないくらいのプレッシャーと労働時間で、心身ボロボロだった。でも誰にも言えなかったし相談できなかった。そんな精神状態の中だったからかな、だんだん祖父の口から黒い物が見えるようになってきて、もう一緒に食事を取るのが憂鬱で、部屋に引きこもって1人で食事を取るようになってきたの。」

「……」

「まぁ、そんな暗い顔しないで!せっかくの可愛いお顔が台無しよ!!笑 」

「ふふふ笑」


あまり暗くならないよう、彼女の顔色を伺いながら、私は少しずつペースを調整して話しました。