Special Interview『夜を歩く士(

 

 

(ソンビ))

 

イ・ユン役 チャンミン(東方神起)

歌手として人気のチャンミンが、入隊を前に初の時代劇に挑戦。ヴァンパイアが陰で支配する朝鮮王朝で、自分たちの国を取り戻そうと奮闘する世子ユンを熱演した彼に、作品への思いを聞いた。

撮影:イ・ジュニョン

 

王位継承者として生きるユンの責任感や葛藤に自分を重ねた

 

 入隊前最後の作品としてこのドラマを選んだ理由は?

 

頂いたオファーの中でも、このドラマは原作自体の人気も評価も高く、ファンも多くて、シノプスも良かったんです。なかでもイ・ユンというキャラクターは、表現に奥行きがありました。彼には多面性があり、ひょうきんで遊び人のような姿をもつ一方、王族としての気品もある。多用な姿を見せるユンというキャラクターにとても魅力を感じて、出演を決めたんです

 

 実際ユンというキャラクターは、前半は素性を隠しているためもあり飄々としていて、いい感じにユルい。だが、話が進んでいくにつれ、世子としての威厳も見せていく。普段のチャンミンは、どちらに近い?

 

序盤のユンのほうですね。普段から世子のような重みやオーラを出している人なんて多くないじゃないですか(笑)。僕自身、普段は肩の力を抜いている方が楽ですね

 

ユンを演じながら、共感した部分は?

 

王宮という閉ざされた場所で生きなければならないユンの姿は、僕が芸能人として、歌手として生きてきた舞台上での人生に重なるものがありました。いつも人の模範にならなくてはいけなくて、人々が望む姿を見せなければならない。王位を継承するユンも、僕に似た責任感や葛藤を持っていたように思いました。そういった縛りのあるなかで、より男らしく生きようとする彼の、粋で軽妙で茶目っ気のある姿をうまく強調できれば、イ・ユンというキャラクターが光るだろうなと。僕としては劇中で演じたよりもう少し、だらけた姿を見せてみたいと思ったんですが(笑)

 

 時代劇を演じてみた感想は?

 

一言で大変でした(笑)。韓服がとてもぶ厚くて、真夏の撮影にはきつかったんです。髷を結い上げていたのですが、慣れないせいか痛くてつらかったし、何より付け髭が不便で!40分くらいかけて髭をつけるのも大変ですが、食事をしていると付け髭が取れてきて、ご飯もろくに食べられないんです。僕はご飯を食べるのが好きなので、付け髭を恨みました!そして、言葉遣いですね。使われる単語一つひとつが今のものと違って簡単ではなく、そういう言葉遣いを自然に操る作業がとても難しかったですね

 

 苦労をともにした共演者の支えも大きい。

 

スヒョクさんは一見クールに見えますが、じつはとてもユーモアのある面白い人。人に対する配慮のある俳優です。もし僕が女性ならスヒョクに惚れるかもなと思いました。ルックスも声も魅力的です。ユビさんは明るくて愛嬌があり、ソウンさんは優しい人ですね。ジュンギ兄さんは一番年上で僕らを引っ張ってくれて、現場での振る舞いも演技もすべてが素敵な方。大変な撮影ではありましたが、皆さんに励まされたり支えられたりしながら、楽しく撮影できたと思います

 

 とくに見て欲しいシーンはあるだろううか?

 

シーンより、メッセージを見て欲しいです。ユンは常に希望に満ちた世の中を作りたいと語っていて、ソンヨルはそんなユンについていこうとする。また、このドラマでは若者たちが熱く愛し合ったり、希望を信じて懸命に生きています。世の中は楽しく、美しいことばかりあるわけじゃないけど、希望を持ってほしいです。そんなメッセージを受け取ってもらえたらと

 

 最後に日本のファンにメッセージを。

 

このドラマが日本で放送されるころには、僕は軍隊に入隊していると思います。早く戻ってきて、歌手活動だったり俳優活動で、より良い姿でお会いしたいです。だから、その時まで皆さんお元気で待っていてください。本当に一生懸命に、本当に苦労しながら撮りました。最後まで頑張って、頑張って撮った『夜を歩く士<ソンビ>』です。たくさん愛して、何度も見ていただけると嬉しいです

 

ユンはつねに希望に満ちた世の中を作りたいと語っています。

世の中は楽しいことばかりじゃないけど、希望をもって生きてほしい。

そんなメッセージを伝えたいです。

 

Profile

1988年2月18日ソウル市まれ。186cm、B型。04年東方神起のメンバーとしてデビュー。05年には日本でもデビューし、圧倒的人気を集める。日韓を行き来して音楽活動を展開するなか、11年のラブコメディ「パラダイス牧場」で本格演技デビュー。12年には日本映画『黄金を抱いて翔べ』で謎めいた韓国人モモ役に抜擢され、注目された。その他の出演作に「Mimi」(14年)など。バラエティ 「僕らの街の芸・体・能」(13年)では高い身体能力も見せた。

 

  

 

韓国TVドラマガイド VOL.61

発売日:2015年10月22日
出版:株式会社双葉社
ISBN 978-4-575-45570-0