悪事をひたすらに積み重ねる者に(古の呪いの書より・正義と報復の章)
悪事をひたすらに積み重ねる者がいる。地上に蔓延跋扈する悪党。
わたしたちの隣にいる、そんな、おまえたちだ。
世の掟を冒し傲慢で反省無き偽善者よ、犯罪者よ、
虐げる者よ、欺瞞を行う者よ、搾取する者よ、驕り高ぶる者よ、財を貪る者よ、
快楽に溺れる愚か者よ。
今、聞くが良い。
己れの欲望と利益のみを考えることだけには長けてはいるが、
欺き騙し言い逃れの詭弁を駆使することだけには長けてはいるが、
他の者たちを虐げ与える苦痛については、全く配慮する能力も無いのか。
己れの快楽を優先し、そのために他人を苦しめて反省もしないのか。
人の道を誤り、正しいことを子に教え伝えることもない。
金品に目が眩み、自らの心を正しく治めることすらしない。
おまえたちは、労せずして得た自らの立場を悪用し、世の決め事を破り、
誰からの警告も無視し開き直り、誠を以って省みることも無いのか。
表では朗らかな笑顔をみせるが、おまえたちの真実の顔は狡猾である。
責任が有る立場のおまえが、次々に反省もなく悪事を積み重ねてゆくが、
その行く先で、おまえたちを待ち構えているのは破滅だけだ。
おまえに関わる者たちまでもが道連れになることが解っているのか。
毒煙を吐く悪魔の手先となって悪逆を行い、罪悪の木を次々に切り倒し、
安息日にでさえ愚かさの薪を裂き積み重ね、その罪悪を積み増してゆくのか。
小屋を作り、あるいは山の陰に、おびただしい汚れた物や罪の薪を隠すのか。
そして、全てがいずれ煙と消えることを知らずに虚しい蓄財を重ね誇るのか。
人の目は欺けても、おまえたちの積み増した汚れた物や罪の薪は、
それらを巧妙に隠したつもりであっても、天からはすべてが見えているのだ。
その私欲にまみれ無駄に肥太った体はおまえたち自身の堕落の証拠である。
天と地の間を私欲のゆえに傲慢に汚してはばかることもない。
不正と害悪と破滅を世に広める行いの愚かさに気がつくこともない。
自らの愚かさと無知のゆえに放つ悪臭に気がつかず、快いと言い放つのか。
世の掟を破り続けるなら、おまえたちは破滅への道を走り行くが良い。
自ら集めた罪の薪をより多く重く背負い、その道を愚かに歩むが良い。
背負い切れないのであれば、その蓄えた財を使って、
金や石で飾りたてた新しい荷車を誇りながら使うが良い。
次第に重みを増す罪の薪と傲慢で虚しい財と欲望を積み増して行くが良い。
愚かな者よ。
しかし重い荷車を引くのは、追い使ってきた召使いでも、牛馬でもない。
重い荷車を引くのは、おまえたち自身だ。荒れた登り坂をひたすら行け。
それは、おまえ自身が好んで選んだ道なのだから。
まだ気がつかないのか。
いずれ、近いうちにおまえたちは裁きの場に引き出される。
その時になって泣き叫んでも、もはや誰も助けてはくれないだろう。
自由を乱用し、義を蔑ろにしたおまえ自身が引き起こした悪事の結果だ。
その者たちは激しく呪われよ。嵐に打たれる松の葉のように散らされよ。
おまえたちの名は、この呪いの書の上で切り裂かれ、焼き捨てられる。
おまえたちの家族をまず一人、見せしめとして冥府に落とした。
これが、おまえたち一族への、血と炎の裁きの始まりの印だ。
いま、様々な禍がおまえたちに降りかかりつつあるのは、その序章だ。
認識せよ。天の怒りの炎の剣は、報復の火の戦車は、そこまで来ている。
これより後、おまえたちとその一族には、
さらに禍々しい災いが次から次へと降りかかる。それは絶対に避けられない。
おまえたち一族は、すでに滅びに定められ、その決定は覆らない。
おまえたちが他の清く罪無き者たちを虐げ与えた苦痛は、
その何倍にもなっておまえたちに戻り災難が降りかかる。
その罪ゆえに、おまえたちは辱められ全てを奪われ失う。
おまえたちの田畑や山、造り上げ守ってきた屋敷や蔵、
その内に不正に蓄えられた財は、すべてが拭い去られる。
人々に石もて追われる身となり、ついには獅子や熊はおろか、
草を喰む者、牛や鹿にまで追われ、山鳥にさえ突かれる身となる。
おまえたちが天と地の間を穢し汚し尽くした重い罪のゆえに、
田畑は痩せゆき収穫も無くなり、汲むべき井戸も枯れ果てる。
頼りにする沢や川の水は毒を含み、田畑や庭園に撒けば地は死ぬ。
果実の木は美しい実を結ばず、鈴のようなぶどうの房は失われる。
召使いとして顎で使ってきた者たちまでも、おまえたちを見限る。
おまえたちの屋敷からは、飯を喰らう時の安らかな笑い声は断たれる。
おまえたちのひこばえは、悉く引き抜かれ捨て去られ育つことは無い。
その恥ずべき一族は千年にわたって再び萌え出で栄えることは無く、
ついには異邦人にまでも嘲笑されるだろう。
狼藉の限りを尽くした末に、おまえが破滅し笑いものになる姿を見て、
世の人は頭を振って蔑み、嘲り笑うだろう。
自ら点した罪の炎のゆえに、他人を欺き苦しめた罪のゆえに、
おまえたちの上にいま、遂に苦難が覆い被さる。
傲慢な者よ、愚かな者よ、欺く者よ、苛み搾取する者よ。穢れた者よ。
せいぜい必死に祈るが良い。
助けを求め必死に祈り、すがるがよい、祖先に。偶像に。偽善の師に。
意味も分からぬままに愚かで忌まわしい呪文を繰り返し唱えるがよい。
救う力、何の力も無く、罪の源である忌まわしい祖先や虚しい偶像に。
累代にわたって、どこまでも愚かな者たちよ。
その祖先や偶像にさえも見放される悪の者たちよ。
それでも祈るが良い。おまえたちのためには善いことは全く起きない。
おまえたちが卑しめ虐げてきた弱き者たちの声は、天に届いた。
天は、おまえたち悪の一族を一掃する。
見よ、ついに、おまえたちの血の裁きの時が来る。
おまえたちは衣を剥ぎ取られ、自らの糞尿の悪臭にまみれた粗縄に繋がれ、
世人の前に引き出され裁きを受ける。
道理を弁えず積み重ねた罪を顕かにするために神により尋ねられる。
全てに優れ秀でた方の光の前で裁きを受ける運命だ。
裁きの光に目が眩み、もはやおまえたちには逃げ場も弁明の場も無い。
おまえたちの火刑のための薪は、おまえたち自身で担い集めたものだ。
そうだ。覚えているはずだ。
小屋を作り、あるいは山の陰に隠した、自身が積み増したあの罪の薪だ。
裂き積んだ罪の薪の数は、落ち葉のように無数に積み重ねた悪行に等しい。
炎はすでに点され、おまえたちを屠る用意は出来ているのだ。
おまえたちが何よりもこよなく好む罪悪の火炎に包まれ自らの身を燃やし、
燃える薪を抱きながら狂ったように踊りながら焼け死に灰になるが良い。
最後に「ああ体が暖かい、快い香りがする」と繰り返し叫ぶが良い。
悪事をひたすらに積み重ねる者よ、覚悟するがよい。もう終わりだ。
ついに、天に血の貢を納める時が来たのだ。
見よ、いま、まさに、正義が行われようとしている。その時が来る。
嘆く者は永遠の喜びに満ち、虐げる者は永遠の絶望に落とされる。
(古の呪いの書より・正義と報復の章)



