ハイテク株への誘惑は抗しがたいが、そのリターンへの期待は虚しいものになる。業種セクターの成長率の高さは、かならずしも高いリターンを意味しない。過去数十年間にわたってハイテクセクターは、市場に占めるシェアを大幅に伸ばしたが、投資家にもたらしたリターンは、市場平均以下であった。ウォーレン・バフェットをはじめとして超一流の投資家は、ハイテク株には投資しない。最もリスクが高くて、リターンが低い株式それがハイテク株だからだ。

1. 主役交代の激しさ

ハイテク株への投資家の期待は熱狂的な場合が多い。その期待に対して、主役でいられる時間は短い。IBMはパソコン事業の中核技術をマイクロソフトとインテルに下請けに出して衰退していった。しかし、この2社もインターネット技術にうまく対応できずに忘れ去られようとしている。インターネット技術にうまく乗ったヤフーが検索技術の中核技術をグーグルに下請けに出したために衰退を始めている。主役は、短い期間で次々に移っていく。これにあわせて株価もブルとベアを繰り返していく。こうした銘柄をトータルしていくと全体の市場規模は拡大しても個別のリターンは低いものになる。つまり、ハイテク株は、長期投資に向かないのである。

2. 高水準な設備投資

歴史的にみて、設備投資対売上比率が突出して高いのは、電気通信セクター(28)、公共事業セクター(25)である。逆に低いのは、生活必需品セクター(0.4)とヘルスケアセクター(0.7)である。設備投資は株価のリターンを押し下げる効果がある。過剰な設備投資は、企業の収益の足をひっぱり、株価を破壊する。

3. ムーアの法則

  半導体の集積度またはMPUの性能は、1年半(18カ月)で2倍になる。

つまり、9年で64倍、20年で16,384倍にもなる。こんなに早い速度で進化する業界では、常に優秀な人材を必要とし、研究開発費も膨大なものになる。もちろん、これが、株価のリターンを押し下げる。技術の進歩で、最終的に実を取るのは、消費者であって株主ではない。

以上