産業心理学で「目的指向」という言葉がある。例えば、児童公園を整備する際、公園を使うのは児童なのに、その目的がどこかに置き忘れられ、計画の過程で大人の事情に沿った児童公園を造ってしまうといった誤びゅうを正す考え方だ。

やや卑近なケースだが、わがオフィスの簡易シュレッダーを見ていて「目的指向」の言葉を思い出した。シュレッダーは「重要な書類を裁断して解読不能にすること」が「目的」だ。ところが豪州でよく見る簡易シュレッダーは、幅が1センチ程度の帯になって出てくるにすぎない。裁断されて出てきた帯状の書類は、子どもでも容易に解読可能なパズルになっている。産業心理学的にいえば、目的を置き忘れているわけだ。

しかしよく考えると、このパズルでも豪州人には、解読意欲を想起させないほどの裁断レベルなのかもしれないのだが……。(西嵐)

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