保留の背景に「低圧敷地分割」。「接続上限を超えても新条件で受け入れも」、九州電力・能見和司執行役員・経営企画本部副本部長
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20141029/385603/

 庶民はなかなかうかがい知ることのできない、電力会社の中のえらい人のインタビューです。結構、貴重なお話であります。

【保留したといっても、再エネを最大限に導入するという方針に変わりありません。原発が停止するなかで、夏の需要ピークなどに、すでに太陽光発電からの出力は大きな助けになっています。九電自体も、グループ会社を通じて再エネに取り組んでいます。】

 → 「原発様が再稼働したらベースロードはおまかせあれ。残りの範囲で再セネを最大限導入してやる。あ、身内優先な。」ではないことを期待したいですが、さてはて。

【今のFITでは再エネの種類を区別していないため、地熱や小水力だけ受け入れるというような差別的な扱いができません。】

 → ・・・といいながら、

【「敷地分割」による低圧案件は、法的に違法性はありません。しかし、明らかに法の趣旨には反しており、しかも保留中の敷地分割の設備容量が約250万kWと膨大な規模になることから、今回は保留のままにしました。】

 → ・・・というのはよくわからないのですが、「差別的扱い」がだめなら「全部保留」か「全部保留解除」でなきゃいかんと思うのですが・・・。個人的には差別はだめですが区別はいいと思うので、「地熱や小水力はおけ」「低圧分割はだめ」もありと思うのですが。しかし250万kWってことは、1区画50kWで計算すると5万区画ですか。だれがこんなに買うのか、お金があるところにはあるのか、それともただの枠取りなのかよくわかりません。

【本来、500kW以上の太陽光発電所であれば、需給調整の必要上、30日まで無補償で出力を抑制できる「30日ルール」の対象になりますが、低圧分割した場合、このルールが適用されません。電力系統に対してメガソーラーと同様の影響を及ぼすにもかかわらず、出力抑制のリスクを負わないことは、高圧案件の事業者から見れば不公平です。電力会社にとっては、安定的な系統運用手段を確保するうえで、大きな不利益になります。】

 → まったくもって同意であります。低圧も抑制するぞというと、ちょっとこわい人たちや声の大きな人たちが「補償しろ!」「賠償しろ!」とまさに「怒号」になるのは目に見えていますから、電力会社の中の人も大変です。一定の範囲で抑制ありにするのがいいんじゃね、とは思うのですが、じゃあ、一定の範囲は電力会社が決めるのか、どこを抑制するかも電力会社も決めるのか、電力会社は信用ならねえなんて話にもなりそうなわけですが、これもまた根拠のない話でもないわけで。

【保留中の低圧敷地分割の案件の中には、本来6万kW(60MW)以上のメガソーラーを1000以上に分割するものまであります。ここまでくると、違法性がないからと言って、接続を受け入れるには問題があります。】

 → 電力会社の中の人も大変であります。連系拒否するか、さもなくば1,000年くらいかけて技術検討して、相手があきらめるのを待つくらいしか電力会社さんには武器がないのは大変であります。しっかし、こんなに小分けして売るよりも、特高でどでかいメガソーラーやったほうがいいんじゃね、とも思うのですが、そうでないのはきっとまあ、結局は金目なのでしょう。

【九州の設備認定量がいかに膨大か分かると思います。すべてを接続することは不可能です。】

 → 現状のシステムではどう考えても無理ですね。

【軽負荷期の昼間需要である約800万kWはあくまで需要であって、供給側には再エネ以外のベース電源なども含みます。約800万kWすべてに再エネを受けられ入れられる訳ではありません。九電では、従来から再エネが約700万kW導入されるとの計画を立て、それでも安定的に電力供給できるよう準備を進めてきました。700万kWが上限というわけではありませんが、700万kWでもかなり挑戦的な接続量だという認識です。】

 → かなりというか相当に挑戦的だと思うのですがこのへんはもう少し電力会社さんを褒めて差し上げてもよいのでは思います。よそに売ればもっとつなげるだろというツッコミもあるとは思うのですが、お隣さんもそれなりに申し込みは結構あるわけで、「お隣に売ればいいだろ」という問題のレベルではないような気がします。

【太陽光発電設備を建設する施工業者などのキャパシティを考えれば、九州に年間に設置される太陽光は約200万kW程度と見ています。そうなれば低負荷期の昼間需要(約800万kW)のレベルに達するのは、早くても2年半はかかります。その間に新技術や制度変更で接続可能量を積み増せる可能性もあります。】

 → 本心なのかどうなのかはわからないのですが、「可能性も」の「も」は東スポ的な「も」なのか、霞ヶ関文学にありそうな「も」なのか、本当にのぞみがあるのか、そこは窺い知ることはできません。

【実際に承諾通知を出したのに接続に至らない案件は相当数あります。最終的にどのくらい稼働して接続されるのか分からないことも、大きな悩みです。】

 → 通知と同時に保証金を取るくらいのことはしないと、電力会社の中の人もやってられないのではと思います。

 なんとなくガス抜き的な気もしないのでもないのですが、まじめに取り組もうとしている発電事業者(予定者)が割を食わないようにお願いしたいものであります。

 で、ところで、これ。

九州電力、回答保留中の個別協議の条件を公表、昼間6時間分を蓄電して夜に放電
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20141030/385894/

 「50kWの太陽光発電だったら249kWhの蓄電池を付けるとかいろいろするなら協議に応じてやんよ」(昼間は一切電気を買ってやらないよ)ということなのですが、これは結構ものすごい金額であります。
(技術的にこのバッテリを採用するのは不適切ですが)比較的安価な12V-100Ah(1.2kWh)のディープサイクルの鉛バッテリーのお値段で計算したとしても200個で300万円。この数では「満充電→完全放電に近い放電」の繰り返しになってしまい、バッテリーの寿命が極端に短くなってしまいます。実際にはこの2倍の容量にして「満充電→30%から50%程度放電(放電深度30~50%)」を前提にすべきでしょうから600万円です。バッテリーの寿命は5年ほどですから、20年間(交換3回なので計4組)で2,400万円です。

 技術的に適切なバッテリーとしては2VのMSE型でしょうか。2V-3,000Ah (6kWh) 1本で60万円くらいからでしょうか。放電深度50%~70%で運用するとしても、60本程度は必要ですから3,600万円。10年もってくれると希望的観測をしても20年分(交換1回なので計2組)では7,200万円です。

 とほほぅ・・・です。現実的ではなさそうです。


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