※数年前の出来事を綴っています。

 

 

単身赴任して数ヶ月、

夫が出張も兼ねて帰宅した。

 

数日前から、

息子はそわそわしだし

会いたくないと言っていた。

 

 

しかし、

いざ夫が帰ってくると

「おかえり~」

遠慮しながらも出迎えていた。

 

緊張の食事の場面でも

いつもの甘えん坊の息子でなく

よそ行きの態度の息子。

 

夫も普通に

「学校はどうだ?

 ママのお手伝いはしてる?」

と話しかけていた。

 

息子は

「うん、してるよ!」

と得意げに返事をしていた。

(本当はあまりしていないが)

 

私の方が、

二人を会わせることに

不安があったが、

 

よそよそしく

他人行儀なところもあるが

夫も息子も笑顔で普通に話していた。

 

 

夫はあとで

 

「○○(息子)、

 ちょっと成長したんじゃない?

 俺がいないほうがやっぱりいいね」

 

と言い、

 

息子は息子で、

 

「お父さんのことは

 絶対好きにはならないけど

 仕事は認める。」

 

など大人びたことも

言うようになっていた。

 

毎日の暮らしでなく、

数ヶ月に数日、

このくらいのキョリ感であれば

二人は争うことなく過ごせるのだと実感した。

 


土曜になり、

今度は義母と待ち合わせて

食事に出かけた。

 

義母も

夫と息子の様子が

かなり自然であることに気付き、

 

「ふじこちゃんは

 〇〇(夫)と一緒に暮らせなくて

 寂しいと思うけど、

 

 〇〇(息子)のためには

 単身赴任してもらってよかったね」

と言っていた。

 

私もそう思った。

 

 

そして日曜日、

夫は前妻さんのお子さんたちとの

面会交流に出かけた。

 

私がせっかく帰宅するのだから

面会交流をするように促したからだ。

 

お子さんたちと

楽しい時間を過ごし、

夫は赴任地に戻っていった。