亡夫の三周忌が終わったころ、

職場の産業保健師さんに

育児相談をする機会に恵まれた。

 

その頃の育児の悩みが何だったのか、

もう忘れてしまったのだが、

何か息子の成長について相談したくて

育児相談を予約した。

 

そして相談の予約日。

 

私はお昼休みに保健師さんの待つ

会議室を訪れた。

 

部屋に入ると

とても優しい顔をした保健師さんが

にっこりと微笑み、

 

「どうぞ、すわってください」

と声をかけてくださった。

 

 

私は所属と名前を述べ座ろうとしたが、

その瞬間、

せきをきったように泣き始めてしまった。

涙が

止まらない。

止まらない。

止まらない。

 

 

保健師さんは、

育児相談に来て、

いきなり泣き崩れた私に

驚いた様子だったが、

落ち着くまで声をかけながら

待っていてくれた。

 

嗚咽が少し止まり、

泣いてしまったことを謝った。

 

私は育児相談に来たつもりなのに

どういうわけか

初対面の人の前で大泣きしてしまった。

 

それは、

夫が死んだことへの悲しみの涙だった。

 

やっと、やっと心から泣けた。