前夫は病院で亡くなった。

私のシングルマザー生活の始まりだ。

 

夫の亡骸は病室から別室へ移動され

すぐに、葬儀屋さんが挨拶に来られた。

 

まず

病院から家まで

どのような車で帰るのか

いくつか車のグレードがあり

それを決めるところから喪主の仕事が始まった

 

その葬儀屋さんは、病院と契約していたのだろう。

そのまま、葬儀もお願いすることにした。

 

会社の上司に報告したら、

その日のうちに、自宅にきてくれて

色々手伝いを申し出てくれた。

 

泣いている暇なく

葬儀の準備に取り掛かった。

 

また、夫の友人・知人・お世話になった方に

訃報を知らせた。

ここは喪主を経験された方は皆同じだろう。

 

そして、

お嫁入のときに、実家でつくってくれた

喪服の着物を着ることにした。

美容院も予約した。

喪主の挨拶も考えた。

 

なんだか、とっても不謹慎なんだけど

仕事のプロジェクトをまわしているような

感じだった。

 

お寺の前に

夫の名前が大きく書かれた看板が

立てられた。

 

多くの方が弔問に訪れてくれた。

私の顔を見るなり

みんな赤い目をしてかけよってくれた。

 

けど、私は全く涙が出てこない。

 

喪主の挨拶も立派だったそうだ。

 

もちろん、少しは泣くんだけど

泣き崩れるようなことはなかった。

(夫が闘病中の方がビービー泣いていた)

 

結局、泣き崩れて、涙が枯れるまで

大泣きできたのは、

それから2年くらいが経ってからだった。