映画「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」(1995) | fpdの映画スクラップ貼(カフェルーム)

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「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」(1995)を見た。1人の少女と二人の少年の瑞々しい恋を懸けた勝負の行方は…という展開は「小さな恋のメロディ」のようでもあり、花火大会をめぐる子供たちの生き生きした会話などは「わんぱく戦争」(古い!)や「スタンド・バイ・ミー」のような自然さがいい。監督は「Love Letter」の岩井俊二。
 
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釣り道具屋の小学生の島田典道(のりみち、山崎裕太安曇祐介半田孝幸は仲の良い友達だが、実は2人とも同級生の及川なずな奥菜恵の事が好きだった。しかしなずなの両親が離婚し、彼女が母親に引き取られて2学期から転校することになっているとは、2人には知るよしもなかった。
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親に反発したなずなは、プールで競争する典道と祐介を見て、勝った方と駆け落ちしようとひそかに賭けをする。勝ったのは祐介か?典道か?一瞬の勝負のあとから、AパートとBパートで異なる2つの物語が展開する。
 
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■Aパート
順調に泳ぐ典道だったが、プールのヘリに足をぶつけて負けてしまう。勝った祐介はなずなに「花火大会に二人で行こう」と誘われる。しかし、祐介は男友達の考えた「打ち上げ花火は横から見たら丸いのか?平べったいのか?」を優先し、なずなとの約束を破ってしまう。
 
それを知らないなずなは彼の実家の病院で散々待たされ、足の治療に来た典道に「典道はこないって」と言われる。「あ、そう」と素っ気無く答えるなずなだが「君を誘ったらどうしてた?」と聞くなずな。典道は「俺は裏切らない」と返す。
 
しかし、この時、なずなはすさんだ表情の母親(石井苗子)がやってきて、なすすべなく連れ戻されてしまう。怒った典道は祐介を殴り倒すと「あの時、俺が勝っていれば」と後悔する。
 
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■Bパート
足をぶつけることなく勝った典道はなずなに「花火大会に二人で行こう」と誘われ、男友達にも「打ち上げ花火は横から見たら丸いのか?平べったいのか?」と誘われる。しかし、なずなとの約束を優先し、バスに乗せられ駅で降りた。
 
なずなは時間が経つにつれ態度を変え駆け落ちせずバスで戻り、学校のプールに忍び込み水遊びをした後、「2学期で会おう」と叶うことのない約束をして典道の元を去っていく。一方祐介達は灯台に向かうも花火はすでに終わってしまった。
 
典道は祭りで彼氏を連れた三浦晴子先生麻木久仁子から花火師を紹介してもらい、花火を一発打ちあげてもらう。典道は下から、祐介達は横から花火を見ることができた。
 
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奥菜恵は撮影当時13歳。映画のなかで、化粧して駆け落ちを試みるが「東京に行けば、夜の仕事もあるし、16歳に見えるかな」と典道に言うセリフがあるが、13歳にしては大人っぽい。麻木久仁子32歳と若い。最初気がつかなかった。ほかに光石研田口トモロヲなどが出演。
 
当時は若手のテレビドラマ監督・脚本家であった岩井俊二の評価と知名度を一気に上げ、映画製作に進出させるきっかけとなった作品2017年に、この映画のアニメのセルフリメイク作品を発表している。