「歌謡曲だよ、人生は」(2007)はおかしくて懐かしい映画。何度も見ているが、もう一度見たい映画。12話のオムニバス。3月29日に新文芸坐でも上映される。ただ劇場公開時には酷評が多かったようだ。確かに、一部は…。
しかし、ベテラン俳優の大杉漣や、高橋恵子(関根恵子)などが短い作品の中でも味わいがある。当時、若手だった妻夫木聡も、この映画では、泣きながら全力で走る。
昭和30年代半ばから昭和の最後くらいまでの時代を切り取っている。ダイアナの曲に乗せてツイストが盛んな時代。
オムニバス映画で、守屋浩の「僕は泣いちっち」。小学生のころよく聞いた曲。
劇中、パチンコの「軍艦マーチ」がかかり、北国からみると「どうしてどうして、東京がそんなにいいんだろう~♪」となる。ガールフレンドが東京に行ってバレーを習うと言って、故郷を後にする時に「さえ(女性の名前)、青春は東京にしかないのか」という男の言葉が印象に残る。
布施明の「これが青春だ」。“スポ根”ドラマの走り「青春とは何だ」の続編。竜雷太が、若い教師役でかっこよかった。
エア・ギターを奏でる不細工男が、もてたい一心で、音楽のチケットを女性に手渡すが、本人はコンサート後に、会おうと思ってトイレに入るのだが、掃除のおばさんが壁に掛けたモップが、運悪くトイレのドアにつっかえ棒になってしまい、トイレが開かなくなって、閉じ込められてしまうおかしさ。
伊東ゆかりの「小指の想い出」。初老の男は作業場から仕事を終えて、そわそわしながら“メゾン・ド・メモワール”という名前のアパートに帰る。
髪を整えて、ブザーを押すと、20代のかわいい女性が待っていた。不倫かと思わせておいて、意外な関係が明らかに…というオチには驚き。大杉漣が、うまい。
「ラブユー東京」。
石器時代と現代が交差する変わったラブストーリー。
宮史郎とぴんからトリオの「女のみち」。
銭湯で、刺青のおっさん(宮史郎)が「女のみち」を歌い始める。
「私がささげた そ~の人に あ~なただけ~よと すがって泣いた
(んんんんんんな・・・・・♪♪)次の歌詞が何度歌っても出てこないおかしさ。
本人の歌なのに出てこない。サウナに入っていた若者に、無理やり考えさせるが、近いようで、出てこない。
ほかの銭湯の客に聞いてみようと思ったら、子供ばかりだったり、大人がいたと思ったら「メイヨ、メイヨ、XXX」の中国人だった(爆)。まったく、ひょんなことで若者が思い出すということになるが…。
北原ミレイの「ざんげの値打もない」。
余貴美子の登場。表情を変えずに演技が光る!
このほか、OLの仲間のいじめ(「いとしのマックス」)や、喫茶店のマスターのほろにがい想い出(伊藤咲子の「乙女のワルツ」)や、新婚で引っ越ししてきたら、前に住んでいた人の手紙の山が残されていて、読んでしまったら…園まりの「逢いたくて 逢いたくて」。このエピソードは、泣かせる。
「みんな夢の中」。
40年ぶりの同窓会では、タイムカプセルに埋めた品々と、8ミリ映写フィルムが出てきて、映像に見入って懐かしむ50代の男女。なかでも高橋恵子(われわれの世代では関根恵子)が、落ち着いて美形は変わらず…。
そして「東京ラプソディ」
東京の観光といえば、名物「ハトバス」観光。2時間で「12話」。気楽に、懐かしのカラオケで、短編ドラマを見る感覚で楽しめる。
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