「リプリー」(原題:The Talented Mr. Ripley、1999)を再見。「太陽がいっぱい」(1960)をアメリカで、アンソニー・ミンゲラ監督で再映画化。Netflixで5月1日から配信開始。
貧しい青年リプリー(マット・デイモン)は、大富豪から、南欧で遊び呆けている息子ディッキー(ジュード・ロウ)を連れ戻してくれと頼まれる。嘘をついて接近し、最初のうちは仲良くなるが、同性愛がバレてしまい…。
ルネ・クレマン監督の「太陽がいっぱい」のドロンとマット・デイモンを比較するには無理があり、別物の映画としてみたほうがいい映画。マット・デイモンがキャラ的にも受け身で弱弱しくイマイチ(笑)。
Netflixのドラマ(全8話)を見てしまったので、マット・デイモン版は、物語の構成にも物足りなさを感じてしまう。
今や大女優のケイト・ブランシェットも最初と最後に少ししか出てこないのももったいない。ジュード・ロウだけはインパクトがあった。プレーボーイのディッキー・グリーンリーフを演じ、アカデミー助演男優賞にノミネートされたほか、英国アカデミー賞助演男優賞を受賞した。
メディアには「リプリー」の原題 (The Talented Mr. Ripley) に引っかけて「才能あるジュード・ロウ(The Talented Mr. Law)」と評されたようで…。
ラストにどんでん返しがないのも見劣りがした。
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オペラ座でボーイとして働く青年・トム・リプリー(マット・デイモン)は、ピアニストの代理で出演した昼食会で、造船会社社長のグリーンリーフ氏と知りあう。
ピアニストから借りた上着を見て、グリーンリーフ氏(ジェームズ・レブホーン)はディッキーと大学の元同級生だと勘違いする。
トムは同級生のふりをして、グリーンリーフ氏からイタリアで遊び暮らす息子を連れ戻すという依頼を受けた。トムはディッキーの事や彼の趣味であるジャズを研究しつくす。
イタリアに向かう船で、トムはメレディス(ケイト・ブランシェット)という社長令嬢と知り合い「ディッキー・グリーンリーフ」と名乗る。
ディッキー(ジュード・ロウ)はイタリアの海沿いの田舎町・モンジにいた。トムは元同級生のふりをしてディッキーに近づく。ディッキーは婚約者のマージ(グウィネス・パルトロウ)と、ジャズと贅沢ざんまいの暮らしをしていた。現地女性と浮気もしているようだ。
トムは研究のかいもあって、ディッキーのお気に入りとなり一緒に過ごすようになる。ディッキーの暮らしにあこがれるトムは、彼の留守の隙に彼の私物を触り、口真似をするのだった。
ディッキーはトムをローマに連れて行き、悪友のフレディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)と落ち合う。ディッキーはフレディと過ごす時間を楽しみ、次第にトムから離れていく。
トムはフレディやマージに嫉妬を覚えていた。そんな折、ディッキーの浮気相手だった現地女性が、彼との関係を思い悩み自殺する。ディッキーはサンレモへトムと2人旅し、トムともその旅を最後に別れると言い出す。トムの秘めたるディッキーへの想いに、ディッキーは気付き始めていた。
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リプリーもディッキーもピーターも同性愛者という設定でLGBT映画の色彩が強い。
<主な登場人物>
■トム・リプリー(マット・デイモン)
劇場でボーイとして働くおとなしい青年。ピアノが好きだが暮らしは貧しい。御曹司で遊び人のディッキーに憧れ、恋愛感情を抱いていく。人のまねをするのが得意。
■ディッキー・グリーンリーフ(ジュード・ロウ)
有名な造船会社を経営するグリーンリーフ家の御曹司。ジャズ好きで、仕事もせずサックスとヨットに夢中なプレイボーイ。婚約者のマージとイタリアで自由を満喫中。移り気な性格。
■メレディス・ローグ(ケイト・ブランシェット)
繊維産業を牛耳るローグ家の令嬢。船で出会ったトムを、「ディッキー・グリーンリーフ」だと信じ、恋をする。
■マージ(グウィネス・パルトロウ)
ディッキーの婚約者で、物書きをしている。ディッキーが突然いなくなったことに疑念を感じ、次第にトムを疑い始める。
■フレディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)
ディッキーの悪友。ローマでディッキーと再会し、またたく間に彼の関心をトムから奪ってしまう。プレイボーイで、トムに対しばかにしたような態度をとる。
■ピーター・S・キングズリー
有名な御曹司。ヴェネチアに住んでおり、マージの紹介でトムと知りあう。同性愛者という一面を隠し持っており、次第にトムと惹かれ合う。
■グリーンリーフ氏(ジェームズ・レブホーン)
ディッキーの父親で造船会社社長の大富豪。トムをディッキーの大学の同窓生だと信じ込み、息子をイタリアから連れ戻すよう依頼する。遊び人で気性の荒い息子を理解できない。
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