メグ・ライアンに似ている。
映画「アイル・シー・ユー・イン・マイ・ドリームズ」(原題:I'll See You in My Dreams、2015)を見る。愛犬が死んで1人暮らしの生活に穴が開いたように感じるシニアの未亡人。そんな時にまったく違う可能性を秘めた2人の男性が現れ、彼女の生活に変化が現れる…というストーリー。
軽いタッチのラブストーリーを織り交ぜ、ハート・ウォーミングな映画で味わいがある。原題は1951年のミュージカル映画「夢で逢いましょう」と同じだが別物。
出演は「ミート・ザ・ペアレンツ」シリーズのブライス・ダナー、「アドベンチャーランドへようこそ」のマーティン・スター、「マイレージ、マイライフ」のサム・エリオット、「ウォッチメン」のマリン・アッカーマン、「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」のジューン・スキッブ、「マチルダ」のリー・パールマン、「マルコヴィッチの穴」のメアリー・ケイ・プレイスなど。
主演で初老の未亡人を演じるブライス・ダナーはラブコメの女王と言われたメグ・ライアンが年齢を重ねたようなルックスだが、グウィネス・パルトロウの母親と知って納得。家族と同様、いつかは訪れる愛犬との別れはつらいものがある。
<ストーリー>
南カリフォルニアでリタイヤ後の生活を送るキャロル(ブライス・ダナー)。朝起きると横には愛犬ヘーゼルがいる。新聞を読むときも、庭の花の手入れをしているときも必ず近くにいるヘーゼル。
しかし、14歳になり、身体も弱ってきたヘーゼルを見るのがつらいキャロル。長年寄り添っていてくれた愛犬ヘーゼルがついに亡くなり、心にぽっかりと穴が開いたキャロル。
キャロルの悲しみは大きかった。あとからヘーゼルの遺骨が缶に入って送られてきた。キャロルには、同世代のサリー(リー・パールマン)、ロナ(メアリー・ケイ・プレイス)といった女友達も近所にいて、ブリッジやゴルフに興じたり、プール付きの家に住んでいたりと恵まれた生活をしているが、なぜか孤独を感じてしまう日々。
そんな中、女友達たちと一緒にシニア専門の出会い系イベントに参加するものの、数分交代で順番に目の前に現れる男たちは一方的に喋りまくるだけで興ざめ(とてもついていけない)。
その頃、定期的にプール掃除に来る親子ほど離れた若い男性ロイド(マーティン・スター)と親しくなり、一緒にカラオケバーに飲みに行く。
昔ジャズ歌手として歌っていたこともあるというキャロルを促して、カラオケのステージに立たせるロイド。キャロルが「Cry Me a River」を情感込めて歌い始めると、バーにいた客たちは歌のうまさと雰囲気に圧倒される。
キャロルが歌い終わると、盛大な拍手が巻き起こるのだった。ロイドも感動に包まれてしまう。
そんな中、ドラッグストアで買い物中にダンディな白髪男性ビル(サム・エリオット)に声を掛けられ、また車に乗ろうとしたときにも、顔を合わせ、よかったら電話するから電話番号を教えてくれと言ってきた。
熟年男のナンパのようなものだが、番号を言ってもらえれば覚えると、メモもいらないという。そして、後日、ビルから留守電が入っていた。
こうして、キャロルは年齢もタイプも違う2人の男性と知り合うことになるのだが…。
・・・
キャロルは、女友達の中では若々しく見える。何度も死別にあい、つらい経験を重ねる。最初は夫の飛行機による事故死。次が14年も生活を共にした愛犬ヘーゼルとの死別(安楽死を選択)。そして、知り合って意気投合し、結婚も申し込まれたビルの突然の悲報に接する。
家の中で時々キャロルが目にして恐れるのがネズミ。ネズミ駆除の専門家を何度も呼ぶが、ネズミ捕りを仕掛けて帰っていく。ある時、ロイドがネズミを捕獲。
キャロルは、今まで重なってきた不安や悲しみが一気に解放されたような感情が沸きおこり、溜まっていた涙を流すことができた。そばにいた息子のようなロイドが優しく慰めた。
不幸続きのキャロルだったが、キャロルを救ったのは、女友達らとの旅行計画。皆でニューヨークに行こうと決まった。
またキャロルは、ペットショップに行き、ワンコを見て歩くうちに、一匹のワンコと目が合った。ショップの店員によると「ビーニーという子で、訳があって12歳くらいだが、引き取った」という。
キャロルの家に帰る車の助手席には、ビーニーがいた。新たな「相棒」ビーニーとの生活が始まる。
<主な登場人物>
■キャロル・ピーターソン:ブライス・ダナー…若いころ一時、ジャズ歌手だったが、その後教師になった。20年前に夫を飛行機事故で亡くした未亡人。夫の保険金も出てプール付きの家に住むが、長年一緒に過ごした愛犬ヘーゼルの死で落ち込む。
■ロイド:マーティン・スター…プール清掃員。歌が好きで、時々カラオケにも行き、たまに曲も作る。
■ビル:サム・エリオット…ひげを蓄えた紳士。仕事はリタイヤしたが、船を所有し、ときどき釣りに出かける。葉巻を吸わず咥える格好が様になっている。
■キャサリン・ピーターソン:マリン・アッカーマン…キャロルの娘。時々離れた場所から会いに来る。母に好きな人ができたことを知ると喜ぶ。
■サリー:リー・パールマン…キャロルの友人。皆で旅行に行きたいと思っている。
■ロナ:メアリー・ケイ・プレイス…キャロルの友人。
■ジョージナ:ジューン・スキップ…キャロルの友人。
■警察官:リード・スコット…明るく人のいい性格。谷中に、キャロルらがコンビニのカートで大量に食料を買い込んで車道を歩いていたので注意する。
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