映画「42 ~世界を変えた男~」(2013)は、米野球界に初の黒人選手が入団、苦悩と栄光の歴史。 | fpdの映画スクラップ帖(名作に進路を取れ!)2号館

fpdの映画スクラップ帖(名作に進路を取れ!)2号館

映画中心のブログです。ドラマ、音楽、食べ物、日常なども…。

映画「42 ~世界を変えた男~」(2013)は、大谷翔平が移籍することになったドジャース(当時はブルックリン・ドジャース)の黒人初のメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンと、球団のGM、ブランチ・リッキーの二人が主人公の物語。


ロビンソンを演じるチャドウィック・ボーズマンも素晴らしいが、GMリッキーを演じるハリソン・フォードがこれまでのイメージとがらりと異なり、別人かと思うほどの熱演だった。


人種差別の激しい時代のなかで、孤独な戦いに身を投じたロビンソンと彼を支えるリッキーの姿を感動的に描いている。
ロビンソンを演じたチャドウィック・ボーズマンは「ブラックパンサー」で主役を演じるなど素晴らしい演技を見せたが3年前に40代前半の若さで亡くなったのが惜しまれる。


この映画は、試写会で見たが、”ベースボール関連”映画の近年まれにみる「金字塔」的作品が現れたと感じた。

 


・・・
GMのリッキーが、多くの野球ファンの反感、反発を押し切ってまで、黒人選手の獲得を強行したのはなぜか? 


人種差別、不平等を無くすための人道主義?。
黒人の野球ファンを増やして、金儲けをするため?
ロビンソンが「なぜ私を・・・?」
リッキーが答える「それは・・・」
ラストシーンでその真実が明かされる。


・・・
アメリカで野球がメジャーリーグ・ベースボールとして1876年にスタートして以来、野球は白人のスポーツとされ、それは伝統的に「慣習」であり、1946年の400人の選手枠は、400人とも白人だった。

それが、1947年に、白人399人となり、観客もマスコミも騒然となった。最後の1人に黒人のロビンソンだったために、ロビンソンは、行く先々で、罵声を浴び、トイレなど「白人専用」のカベにぶち当たるが・・・。
 
GMのリッキー(ハリソン・フォード)がロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)に、ドジャースに入る条件を二つ挙げ「守れるか?」と念を押す。それは、ロビンソンの性格、これまでの行動からは到底不可能に思われたが、それを実行するロビンソンの苦悩と勇気に感動する。
 


「42」が示すもの。
1997年にはロビンソンの背番号“42”が全球団で初の共通の永久欠番になり、彼がドジャースで初出場した4月15日には各球団の全選手が背番号“42”のユニフォームを身につける“ジャッキー・ロビンソン・デー”に制定された。


・・・
この映画の見所はたくさんあるが、ロビンソンが塁に出て、ピッチャーをかく乱し、盗塁をするシーンは、”度肝を抜く”迫力だ。
 
ロビンソンがバッター・ボックスに立った時に、相手チームの監督の差別の暴言は、軍隊映画の某軍曹に匹敵するくらいの強烈パンチだ。これには、ドジャースのチーム・メイトも黙ってはいられない。
 
信念と勇気を持った男の物語に、さまざまな味付けがある。


実話をベースにしており、映画に登場した人物のその後が最後に紹介される。
ロビンソンは、野球を通じて、黒人社会の英雄的な存在になるが、列車で街を去る時に、見送っていた黒人の見知らぬ子供にボールを投げ与えると、その喜びの子供の表情が・・・。


その子供は、のちにメジャー・リーガーになった…などのテロップが入る。リッキーもロビンソンも、のちに野球殿堂入りとなっている。

 

■「にほんブログ村」にポチッと!。

https://movie.blogmura.com/ranking/in   

https://movie.blogmura.com/moviereview/ranking/in