映画「ある殺し屋」(1967)和製フイルムノワール。市川雷蔵主演。 | fpdの映画スクラップ帖(名作に進路を取れ!)2号館

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ある殺し屋」(1967)は、市川雷蔵が35歳の時の作品で、亡くなるわずか2年前の映画だった。和製フイルム・ノワールの傑作といわれる。

 

渋くニヒルな殺し屋に扮した市川雷蔵は、周到な計画と正確無比なテクニックで依頼を成功させる殺し屋で、近づく女には目もくれず、プロである請負仕事人だ。

 

普段は無口な料理屋の板前店主として、仮の姿をしているが、やくざの社会では、泣く子も黙る殺し屋として知られていた。

暴力団木村組組長(小池朝雄)から敵対する暴力団組長の大和田(松下達夫)の殺人を500万円で始末してほしい、と依頼されれば「2千万円なら引き受ける。嫌なら受けない」としたたかだ。結局、2千万円で請け負い、難なく大和田を始末してしまう。

 

塩沢の腕に惚れた木村組幹部の前田(成田三樹夫)が弟分にしてくれないかと現れるが断られる。ひょんなことから圭子(野川由美子)という女が加わり、2億円の大仕事を計画する。二人は塩沢を裏切るが塩沢はそんなことは織り込み済みで・・・。

 

 

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野川由美子のオンナを武器にした色仕掛けなどには目もくれず、のちの「仁義なき戦い」で頭角を現す成田三樹夫のチンピラやくざの絡んだ三つ巴の駆け引きをめぐる面白さ!

 

最初のシーンが、なぜそうなったかを過去のシーンを組み合わせて理解させるストーリーの組み立ても、よくできている。

「刑事コロンボ」の声の吹き替えで有名になった俳優・小池朝雄や渚まゆみといった名優が脇を固めている。

 

確かに、ニヒルで、クールな、和製ボガートのような市川雷蔵だった。ニヒルといえば、田宮二郎や天地茂を思い出す。それに加えてカッコよさでは、丹波哲郎というところに落ち着く。

 

37歳で亡くなった(1931年生まれ、1969年没)市川雷蔵は大映では、勝新太郎の「勝」と市川雷蔵の「雷」と合わせて「カツライス(勝+雷)」の二枚看板としていた。大映の屋台骨を支えた市川雷蔵の死の2年後に、大映も倒産した(1971年)。

 

 

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