先日、私が所属する団体の方から、米国渡航に必要な「ESTA(電子渡航認証システム)」の申請に関する相談を受けました。
内容は、「ESTAを申請したつもりだったが、後で確認したところ米国政府の公式サイトではなく、民間の代行サイトを利用していた」というものでした。
近年、このような相談は少なくありません。
ESTAは、米国のビザ免除プログラムを利用して渡航する際に必要となる事前認証制度です。多くの場合、インターネット上で申請手続きを行うことになりますが、その際に注意したいのが「申請代行サイト」の存在です。
インターネットで「ESTA申請」と検索すると、公式サイトだけでなく、申請手続きを代行する民間事業者のサイトも数多く表示されます。中には、公式サイトと見間違えるようなデザインや表現を用いているものもあり、利用者が公式サイトだと思い込んだまま申し込んでしまうケースがあります。
このような代行サイトについて、「詐欺ではないのか」と感じる方も少なくありません。しかし、多くの代行サイトは申請代行サービスとして運営されており、利用規約や料金体系を設けた上でサービスを提供しています。そのため、直ちに詐欺に該当するとは限りません。
一方で、実際には多くのトラブルが報告されています。
その理由は、利用者が「公式サイトだと思って申し込んだ」「代行サービスであることに気付かなかった」「手数料の存在や金額を十分認識していなかった」など、公式サイトとの混同や錯誤が生じやすいためです。
例えば、本来の申請費用に加えて高額な代行手数料が発生していたり、申込後にキャンセルしようとしても応じてもらえなかったりするケースがあります。また、「料金の表示が分かりにくかった」「申し込み後になって代行サイトだと気付いた」という相談も少なくありません。
こうしたトラブルを防ぐためには、申請前にサイトの運営主体や料金体系をよく確認することが重要です。検索結果で上位に表示されているからといって、必ずしも公式サイトとは限りません。広告として表示されている場合もあります。

また、申請前の画面や料金表示、確認メールなどは保存しておくことをお勧めします。万が一トラブルが発生した場合には、消費生活センターなどへ相談する際の資料として役立ちます。
海外旅行や海外出張の準備は、航空券やホテルの手配などで慌ただしくなりがちです。しかし、そのような時こそ一度立ち止まり、利用するサイトが公式サイトなのか、どのような料金が発生するのかを確認することが大切です。
ESTA申請代行サイトは必ずしも違法なものではありません。しかし、公式サイトとの混同や利用者の錯誤によってトラブルが発生しやすいことも事実です。安全で気持ちの良い渡航準備のためにも、申請手続きは慎重に行いたいものです。
※本稿は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別案件に対する法的見解を示すものではありません。トラブルが発生した場合は、消費生活センター(188)などの専門機関へご相談ください。

