先日、弊社取引先の代表者様がご逝去されました。
お話を伺ったところ、死亡に伴い銀行口座が凍結されたため口座振替決済ができず(一時的ではありますが)影響が出たそうです。
クレジットカードの決済についても、口座振替できないためカード会社へ連絡し振込みで対応したとの事でした。
もっとも、金融機関に対し仮払い請求手続きをすれば上限額150万円までは引き出し可能ですが、葬儀や相続手続きを淡々と進める方が時間的には早いと思われます。
「そういえば、ポイントってどうなるのかしら?」
ふと、奥様から疑問を投げかけられました。 ・・・では調べてみますね。
私たちの生活に密接なものとして「ポイント」があります。クレジットカード決済するごとに付帯されるアレ(!)です。
スマホのアプリやQRコード決済の普及により、100円決済する毎に1ポイントや0.5ポイントが貰え、「ポイント」を使用して買い物や商品と交換することができます。
私たちの生活にとって、以前より簡単で身近なものとなっております。
では、このクレジットカード「ポイント」ですが、本人が亡くなった場合、その後どうなるでしょうか。
約款に「死亡した場合はポイントを喪失する」「ポイントの相続、譲渡、譲受、貸与および借り入れはできません」という文章が掲載されているため、結論から言うと・・・本人限りで相続や譲渡できない場合が多いようです。
しかしながら、一部の例外として航空会社の「マイル」があります。
「マイル」の譲渡や売買は禁じられていますが、JALやANAでは「マイル」の所有者が死亡した場合に限り約款において「マイル」の相続が認められています。
JALマイレージバンク一般規約第14条には「会員のマイル口座に残る有効なマイルを相続することが可能」と記載されています。
ANAマイレージクラブ会員規約21条にも「会員のマイルを手続きが完了した時点で承継できる」とあります。
マイルが相続できるのは「法定相続人」で、仲がよかった友人や親戚が自由に相続できるわけではありません。
法定相続人は民法上で規定されており、「配偶者」と子・孫・兄弟姉妹・親・祖父母などの「血族」が対象で、「夫の兄弟」や「夫の親」などの「姻族」は法定相続人に含まれません。
しかも期限があり、法定相続人は会員(被相続人)が死亡してから6カ月以内に手続きを行わなければなりません。
皆様とともにライフプランやリタイアメントプランを地図に描く中で、「ポイント」や「マイル」も夢を実現するための財産の一つです。
ネットバンクの普及により通帳の無い口座もありますが、残された遺族が、故人のログインIDやパスワードが分からなければ、相続財産にもなり得ません。
家計決算書(家計貸借対照表)における残高確認、つまり終活における棚卸を考えてみませんか。