【日本の野鳥#21-08】ヤマセミ(Crested Kingfisher) | 鳥好きFPのつれづれ日記2

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自然ものの写真をご紹介していきます。
野鳥が中心ですが、風景や草花、動物、きのこたちも登場します

記事の前半は「よもやま話」
記事の後半に「自然ものの写真」をご紹介です。

ブッポウソウ目カワセミ科ヤマセミ属
学名 Megaceryle lugubris
和名 ヤマセミ
英名 Crested Kingfisher

【分布】
アフガニスタン北東部からヒマラヤ圏~インドシナ半島北部~中国中部より南・東、日本に分布。韓国では絶滅。
日本では九州以北に亜種ヤマセミと亜種エゾヤマセミが留鳥として生息。

4亜種に分類される。

M. l. continentalis – アフガニスタンからヒマラヤ圏(ブータン)にかけて生息。
M. l. guttulata  – ブータン~ベトナム、中国、北朝鮮に生息。
M. l. pallida  – 亜種ヤマセミ。 北海道および千島列島に生息。
M. l. lugubris  – 亜種エゾヤマセミ。基亜種。 本州、四国、九州に生息。

【生態】
山地の渓流やダム湖、湖沼周辺に生息。平地の河川や海岸にも生息する個体もいる。

群れは作らず、単独、またはつがいで活動する。

食性は動物食。魚類、甲殻類、水生昆虫を捕食。

捕食方法は。水辺の枝や岩や石の上から狙いを定めて水中に飛び込みクチバシでつまみ上げる。

空中でホバリングをして狩を行うこともある。

捕らえた獲物を石や枝などに叩きつけて、頭から飲み込む。

川や湖沼の岸辺の垂直な土壁・土手や崖に巣穴を掘り営巣。

【サイズ・形態】
全長38㎝ 翼開長67㎝。日本国内のカワセミ科の中では最大種。

頭部・上面・背面・翼上面は白黒のまだら模様(鹿の子模様)。

大きな冠羽がある。下面(腹部)は白。

クチバシの付け根あたりから胸はまだら模様。

オスは胸に薄橙色の帯が入る。

メスは翼下面に薄橙色が入る。

クチバシは黒。

脚は小さく、黒。

【その他】

いくつかの自治体の鳥に指定されている。

北海道千歳市、熊本県人吉市など。

 

1994年に80円切手の意匠に使用された。


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<ここから鳥の写真>
『ヤマセミ(Crested Kingfisher)』

今回は長文になるかも~(お付き合いください)


鳥の好きな方の中には、釣りが趣味の方、幼少期に釣りにいそしんでいた方も多いと思います。

小中学校の時に、夢中になった漫画に「釣りキチ三平」があります。

 

そのストーリーの中に、度々登場した鳥が本種。

中でも「毛鉤山人」という毛鉤造りの名人が登場します。

名人の「石化け」という大岩に姿を溶け込ませて

毛鉤を川に流し、渓流魚を芸術的に釣り上げるのです。

 

石化けは悪友たちと、釣りに出掛けては「石にな~れ」と言いながら川べりに立ったものでした(^^)

 

その名人のその技以外にも、作る毛鉤にも秘密があるんです。

その名が「山人黒鉤(くろばり)」

 

それは、見た目何も変哲もない造形の毛鉤なんですが、その毛鉤は、渓流魚を誘引させるんです。

その毛鉤のマテリアル、素材が「ヤマセミ」の羽毛なんです。

 

漫画の1シーンには、『ヤマセミがホバリングしながら川の上を舞い、クチバシで自分の羽毛を1枚摘み取り、川に落とすんです。すると、その羽毛を虫と間違えて、渓流魚が浮いてきたところを、ヤマセミが捕食する。』
このシーンを見た三平が名人の秘密を目の当たりにして知る。

 

そんなシーンに魅了されて、ヤマセミは私の憧れの鳥になりました。

(私は今まで本種の観察でそんな羽毛を落として狩りをするシーンには出会ったことがありません。著者の矢口孝雄先生の素晴らしい想像力のイメージなんでしょうかね?見たことある人いるのかな?)

 

ですが、鳥に詳しくもない、幼少期には、本種が生息している川に行っているにもかかわらず、見たことは無し。

警戒心が強いので、すぐに逃げちゃうわけです。

そして、大学時代、丹沢の渓流にある養魚場に毎朝狩りに来るヤマセミがいるということで

ヤビツ峠から歩いて札掛の丹沢ホームに向かい、そこに泊まって、翌朝、許可をもらって養魚場の飼料小屋の窓から、観察し、感動の出会いをしたことを思い出します。

今思うと、電線に止まっている姿でしたので、絵にならないシーンでしたが、心が震えました。

 

そんなヤマセミも、じっくり観察する機会に恵まれて

数年間、毎年繁殖してるつがいを、数カ所でブラインドにこもって、撮影しました。

 

皆さんもご存じの通り、2019年、千曲川が氾濫がするほどの豪流、暴流によって、巣穴に適していた土手や崖がことごとく崩壊してしまい、ここ3年ほど巣穴を見つけられていません。住宅難に陥っていると想像しています。

本種にとって、餌の魚が豊富な環境も大切ですが、巣穴を形成できる土手や崖の存在はとても大切です。

河川敷は、法律によって盛り土などをすることが許可なくできません。

定年後は、本種の存続のために、許可を得て、土手の代わりになる人工的な土壁などを提供して、

そこに営巣するのか?

など、本種に恩返しできる、何かをしてあげたいと思っている今日この頃。

 

そんな本種の姿をご覧ください。

写真もたくさんですw

 

山陰での出会い

 

以下は信州にて

左がメス 右がオス

この巣は、数日後、大雨で水没・・・涙

巣穴掘削さぎょ

 

以下、別のつがい

他のヤマセミが侵入・・・警戒モード

追い払いに飛び立ったシーン

求愛給餌

叩き付けて、この後、丸呑み

交尾

 

羽繕い

 

亜種エゾヤマセミ

北海道にて


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本日はお立ち寄りいただきましてありがとうございます。
今日も皆様にとってみずみずしい一日でありますように。