ツル目クイナ科ヒメクイナ属
学名 Porzana cinerea
和名 マミジロクイナ
英名 White-browed Crake
【分布】
東南アジア、太平洋諸島に広く分布。
いくつかの亜種に分けられる。
◆P. c. cinereus
インドネシア(ジャワ島、スマトラ島、ブル島、フローレス島)、マレーシア
◆P. c. leucophrys
インドネシア(モルッカ諸島、ニューギニア島)、オーストラリア北部、
パプアニューギニア(ビスマルク諸島、ニューギニア島)
◆P. c. meeki
パプアニューギニア(セントマシアス島)
◆P. c. micronesiae
アメリカ合衆国(グアム島)、パラオ、ミクロネシア連邦
◆P. c. ocularis
インドネシア(スラウェシ島)、フィリピン
◆P. c. tannensis
ソロモン諸島、バヌアツ、フィジー、フランス(ニューカレドニア)
絶滅した分布域
◆P. c. brevipes 亜種マミジロクイナ
日本(硫黄島)
【生態】
湿原、湖、河川などに生息。
渡りは行わない。
食性は動物食で、魚類やその卵、カエル、昆虫、クモなどを捕食。
【サイズ・形態】
全長17.8-19㎝ 翼開長26㎝
頭頂の羽衣は暗青灰色や灰褐色。
体上面の羽衣は暗黄褐色。顔や胸部の羽衣は灰色や灰青色。
クチバシ基部から眼上部に眉状(眉斑)、またクチバシ基部から眼下部、耳孔を被う羽毛(耳羽)にかけて白い筋模様が入る。
体側面から腹部、下尾筒は淡褐色や赤褐色。
虹彩は赤。クチバシは黄色や黄緑色で、基部が赤。脚は淡緑色や黄緑色。
【その他】
日本では硫黄列島に固有の亜種が生息していました。1889年に硫黄島でP. A. ホルストがはじめて採集し、1911年にはA. オーストンの採集人が多数採集していますが、その後の確実な記録はなく、この亜種は絶滅したと考えられています。絶滅の原因は不明ですが、湿地の乾燥化やネコによる捕食によるのではないかと言われています。(出典:クイナの仲間と絶滅 ヤンバルクイナ その命名・生態・危機|山階鳥類研究所 (yamashina.or.jp) )
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<ここから鳥の写真>
『マミジロクイナ(White-browed Crake)』
日本の亜種は残念ながら絶滅してしまいました。
世界の鳥類における絶滅種を調べると、クイナの仲間の種、または亜種の絶滅が非常に目立ちます。
その理由は、飛翔能力の劣る、限定生息、地表・水辺生活という点が挙げられます。
本種も含め、飛翔能力に長けている種が多くありません。
日本固有種のヤンバルクイナもこれにあたります。
また、島嶼固有の種や亜種である点も、移入種の影響や、環境の乾燥化・開発など影響を受けやすいということも絶滅要因であると考えられます。
さらに、本種の仲間は、樹上生活に適した種がいません。水辺および地表の生活に特化した進化をしているために、天敵や移入種の影響を受けやすいということも理由として挙げられます。
日本の亜種は絶滅しているので、これを見ることはもう叶いません。
ですので、広義の意味で東南アジアの亜種を本種として載せておきます。
タイにて
ベトナムにて
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