ネオニコチノイドの静かなる恐怖 | 鳥好きFPのつれづれ日記2

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記事の前半は「よもやま話」
記事の後半に「自然ものの写真」をご紹介です。

ネオニコチノイドの静かなる恐怖今回は気になる記事を。。。もうお読みになった方も多いかと思いますが

まだの方がいらっしゃれば。。。



ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト 7月11日(金)13時40分配信

殺虫剤は、害虫を殺すだけではない。オランダで行われた研究で、広く一般に普及している殺虫剤が、14種の鳥の個体数減少に関わっていることを示す有力な証拠が提示された。

 ネオニコチノイドと呼ばれる殺虫剤は、最近のニュースでも、ハチやその他の受粉媒介生物まで殺してしまうとして、広く取り沙汰されていた。

 そして今回新たに発表された研究は、同じ殺虫剤が生態系の他の生物へも間接的に影響を与えている可能性があると警告している。

 オランダのネイメーヘンにあるラドバウド大学とオランダ野外鳥類学バードライフセンター(SOVON)の研究者らは、農業地帯に生息する鳥の個体数と表面水に含まれる薬品濃度の長期的データを比較し、一般的なネオニコチノイド殺虫剤であるイミドクロプリドが水中に高い濃度で含まれている地域では、鳥の個体数が年に平均3.5%減少する傾向にあることを発見した。

◆第二の「沈黙の春」?

 1962年に、レイチェル・カーソン(Rachel Carson)氏が自著『沈黙の春(Silent Spring)』の中で、これと似た問題を取り上げている。同書は、「ある日突然鳥の歌声が聞こえなくなってしまった」のは殺虫剤が原因であると、世界で初めて一般大衆に警告を発した画期的な本である。

 SOVONの鳥類学者で、今回の報告書の共著者であるルード・フォッペン(Ruud Foppen)氏は、カーソン氏が問題にしていたDDTなどの有機リン酸エステルとネオニコチノイドは全く別の薬品ではあるものの、現在起こっている事態はほぼ同じであるとしている。

◆ネオニコチノイドの用法

 ここ20年間で、ネオニコチノイドは殺虫剤の分野では最も急速にそのシェアを伸ばしてきた。害虫駆除に高い効果を上げ、使用法も簡単なため、農業従事者の間では特に評判が高い。

 何リットルもの殺虫剤液をタンクに入れて広大な畑の上へ散布するのではなく、既にネオニコチノイドがまぶしてある農作物の種が売られている。薬品は散布すれば作物の一部にしかかからないが、種の時点で薬品処理されていれば全体に効果が行き渡るため、「浸透性」農薬と呼ばれている。種子処理された作物が生長すると、すべてのつぼみや枝にまで殺虫剤が浸透し、植物自体が効果的な害虫駆除マシンと化すのである。

 バッタや根切り虫は、根、茎、花など作物のどの部分をかじろうとも、腹いっぱいに神経毒を摂取してしまう。

 これに関して天然資源保護協議会(NRDC)の上級科学者であるジェニファー・サッス(Jennifer Sass)氏は、「対象とする害虫だけではなく、ハチなど有益な昆虫にまで害を与えてしまっている」と話す。作物の頭から根の先まで防護するということは、その花、花粉、蜜までも全てが有毒となることを意味する。

 さらに悪いことに、ネオニコチノイドは土壌の中に何年も残り、そこに生えた他の植物まで、薬品に接触すればそれを吸収してしまうという。

◆鳥への影響

 今回の研究は、オランダの農業地帯によく見られる14種の鳥の個体群の統計を調査したものである。対象となったほとんどの鳥は、昆虫を主な餌としているが、中には種子や穀類を食べる鳥もいる。このことから、ネオニコチノイドがオランダの鳥へ与える影響は2通りあるということが言える。

 第一に、口からの摂取である。ネオニコチノイドは、通常なら昆虫以外の動物や鳥には安全であると報告されているものの、多量に摂取すれば命に関わることもある。そして、ネオニコチノイドが散布された種を食べれば、高い濃度を摂取してしまうのだ。

 第二に、鳥たちの食糧源の枯渇が挙げられる。ネオニコチノイドは対象とする虫だけでなく、他の種も殺してしまうので、鳥が食用とするハエ、バッタ、カメムシ、イモムシまで数が減少してしまうことになる。

 ただし、報告書はネオニコチノイドと鳥の個体数減少の相関関係を示してはいるものの、殺虫剤が直接その減少を引き起こしているとは言っていない。

 イミドクロプリドの大手メーカーであるベイヤー・クロップ・サイエンス社は、ネオニコチノイドの使用が安全であると主張し、「本薬品は厳しいリスク評価を受けており、説明書に記載されている通りの責任ある使用法を守れば、環境への安全性は確認されている」との声明を出した。

 この研究報告は、7月10日付「Nature」誌オンライン版で発表された。

Jason Bittel for National Geographic News


このような記事がNETにありました。


こんな記事も。。

朝日新聞デジタル 7月19日(土)15時49分配信


夏に北海道などの北日本で多発しているミツバチの大量死現象は、害虫のカメムシを駆除するため水田に散布される殺虫剤が原因の可能性が高いとする調査結果を18日、農研機構畜産草地研究所(茨城県つくば市)などの研究チームがまとめた。

 研究チームは2012年夏、北日本の水田地帯に養蜂家がミツバチの巣箱を置いた8地点(計415箱)を調査。1カ月間に5地点で、巣箱の近くで死んだミツバチが山のように積み重なっているのを確認した。

 死んだミツバチを分析したところ、全てからネオニコチノイド系を中心に2種類以上の殺虫剤成分が検出された。ウイルスによる病気やスズメバチの襲来などはなく、カメムシ用の殺虫剤が原因の可能性が高いと結論づけた。


また、こんな論文も。。。


情報公開日:2014年7月18日 (金曜日)

(独)農研機構
(独)農業環境技術研究所

◆ミツバチ群の健全性は、社会的関心の高い課題となっています。

◆夏季に北日本水田地帯で発生が見られる巣箱周辺でのミツバチへい死1)について調査し、水田で斑点米カメムシ防除に使用される殺虫剤に曝露されたことが原因である可能性が高いことを明らかにしました。

◆今後は、殺虫剤曝露による影響の緩和にむけて、ミツバチ群を水田に訪れさせないための技術等の開発を行います。

(独)農研機構と(独)農業環境技術研究所は、夏季に北日本水田地帯で発生が見られる巣箱周辺でのミツバチへい死について調査し、水田で斑点米カメムシ2)防除のために散布される殺虫剤に曝露されたことが原因である可能性が高いことを明らかにしました。

  • 平成21年春の花粉交配用ミツバチ不足問題の発生以来、ミツバチ群の健全性が社会的関心の高い、重要な課題となっています。そこで、夏季に北日本水田地帯で発生がみられる「巣門(巣箱の出入り口)前でミツバチがへい死する現象」の原因解明を行いました。
  • 水田周辺に巣箱を設置されたミツバチ群はイネ花粉を収集していました。また、巣門前でのへい死は、イネの開花時以降に発生していました。
  • ミツバチの死虫の全てから、同時期に斑点米カメムシ防除に用いられた複数の殺虫剤成分が検出され、ミツバチが収集した花粉団子3)からも殺虫剤成分が検出されました。一方、ミツバチ群に病気は検出されず、スズメバチ被害もありませんでした。
  • 以上により、ミツバチはイネ花粉の収集のために水田に飛来し、そこで散布される殺虫剤に曝露されたことがへい死の原因となった可能性が高いと考えられます。
  • 殺虫剤への曝露による長期的影響が指摘されていますので、夏季に水田周辺でへい死が発生したミツバチ群における秋季の巣重量の変化や越冬についても調べたところ、今回の研究では、殺虫剤に曝露されなかったミツバチ群と違いはみられませんでした。
  • 今後は、殺虫剤への曝露による影響を緩和するため、曝露経路の特定やミツバチ群を水田に訪れさせないための技術開発を行います。

予算:農林水産省新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業「ミツバチ不足に対応するための養蜂技術と花粉交配利用技術の高度化(平成22-24年度)」




ここにある殺虫剤「ネオニコチノイド」に聞き覚えがある方いますかね?

昨年、旧IDの(fpbird)でハチクマの記事を連載した際にも、この殺虫剤の記事をしたためました。。。リンク⇒参照 その記事

ミツバチの集団脱走(蜂群崩壊症候群)の原因とも言われている成分の薬剤なんです。


化学は、人に楽を与えてくれるのですが

大きな代償を払う副作用もある。。。そんな一例の薬剤になるのかもしえませんね。



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<ここから野鳥の写真>

今年もハチクマを撮影できました。

このハチクマの撮影は、養蜂家の方にしっかりと確認許可を取り

観察する前日にメールで確認してブラインドの設置の許可を得て撮影をしています。

当然、養蜂家の方の敷地にての撮影になりますので

くれぐれも、安易に真似されて養蜂家の方とトラブルにならない様にお気を付けください。

この場所は、問い合わせいただきましてもお答えできませんのでご容赦ください。


今回は『ハチクマ♂中間型』

襟に黒い斑 全体的に褐色を帯びた白色

目は虹彩が暗色

尾羽先端位に太いバンド有り


ということで、ハチクマブラインド生活初日


はこの子の登場だけで終わりました・・・


やはり巣箱の周りにハチの巣が落ちていないと厳しい・・・

全部同一個体です









タカ目タカ科

学名 Perinis ptilorhyncus

和名 ハチクマ

英名 Oriental Honey Buzzard


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本日はお立ち寄りいただきましてありがとうございます。

今日も皆様にとってみずみずしい一日でありますように。