
(前回のあらすじ。ちなみに前回は→こちら)
父の遺産を整理していると、なんと!自分と弟名義の預金通帳を発見した佳史。
父は生前に、兄弟名義の預金に資産を移し、相続税対策をしていたのだ。
その預金額は、自分の方が、弟より多くなっている。自分に多く残してくれた父に感謝する佳史だったが・・・

===========<つづき>==============
「兄さん,そりゃ違うよ。その預貯金,全部,父さんの遺産だから,法定相続分通り分けないと不公平だよ。」
「良二、何いってんだ?親父が、わざわざ、俺たち名義の預金通帳を使って生前贈与してくれたんだぞ。
親父の意思を無視して決めるのか。それはどうかな?
それにな、そもそも、この預金はおれの預金だろう。公平に分けろって言ったって、理屈上、お前がオレに請求する権利はないだろ」
「兄さん、それはちょっと勉強不足だろ」
「どういうことだよ?」

誰だあんたは・・・
兄佳史は、父が佳史名義の預金に貯金をしていたことをもって父が自分に生前贈与してくれていたと考えている。
この点は、父も同じように考えていたようである。
しかし、贈与は成立していないのだ。
贈与は、「契約」である(贈与契約という。)
契約というのは、契約の両当事者の意思の合致があって成立するものとされている。
当事者の意思に基づくから、契約に拘束されることが正当化されるのだ。
贈与の場合、次の意思の合致がいる。
贈り主(贈与者)が「これを無償であげましょう」
もらい主(受贈者)「はい。いただきましょう」
本件では、父が勝手に佳史名義の通著を作ってそこに入金していたに過ぎない。
父には、あげる意思があったことは明白だが、
もらう側の佳史は、預金されていることすら知らない状態だった。
だから、「いただきましょう」という意思表示をしていない、のである!
意思表示がない以上契約は成立しない。
つまり、贈与契約は成立していない。
そして、これまで何度か検討してきたが、預金の所有者(権利者)は、名義ではなくお金を出した人である。(夫の給料は誰のもの?<解答編>)
そうすると、結局、こうなる。
(1)父と子の贈与契約は成立していない。
(2)佳史名義の預金の権利者は父である。
(3)よって、預金は父の遺産である。
なんと、佳史名義の預金は、父の遺産なのだ!
となると、この遺産は相続の対象財産で、民法の相続分の規定に従って、兄弟では平等に分けることになる。
よって、弟良二の勝ちなのだ。
兄も、預金に差がなければ、別に同額ずつ相続することになんの違和感もなかっただろう。
しかし、預金に差がついていたため、期待を持ってしまった。
父の半端な知識による行為のため、兄に余計な期待を持たせてしまった上、おそらく兄弟の仲も少し悪くしただろう。
非常に言葉は悪くて心苦しいが、迷惑な話しである。
そして、父自身もうかばれまい。

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