遺言をするには,遺言能力が必要です。
遺言能力とは,遺言について内容やその是非を判断できる程度の判断能力です。

もし,認知症等によって,この遺言能力がない状態で,作成された遺言は無効となります。

(なお,ねんのため。認知症と一言で言っても,程度の軽い場合もあるので,認知症即無効とは限りません。)

では,例えば,兄弟姉妹の一人が認知症の親に自己に有利な遺言を作成させている場合,その遺言の無効を裁判で争えるでしょうか。
 
実は,遺言は生前に無効有効を争えません

なぜか。
まず,遺言は,死亡しない限り,効力が生じません。
次に,遺言は,何度でも書き換えたり,取り消したりできるます。
さらに,遺言の無効を争うとしている人が,咲に死んでしまったり,相続欠格者になって相続人から除外される可能性もあるからです。
これらのため,生前に,遺言の無効を確認する判決をしても,結局意味がないということになるのです。

遺言の無効が争えるのは,不利益な遺言の効力が生じて,具体的に利害関係者間に紛争が生じてからなのです。

そこで,生前にできる対応としては,遺言を作成した当時の判断能力を示す証拠を確保しておくことです。
具体的には,診断書や,介護に関する書面等です。


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