死んだ人は、法的効果を発生させるために意思表示はできません。

 遺言は、遺言者が「死んだ後」、死んだ人=遺言者の意思に基づいた法律効果を発生させるための意思表示の方法なのです。

遺言とは、法律で定められた事項について、遺言者が単独で、法律で定められた方式でする相手方のいない意思表示である、と定義されます。

このような遺言が、死後、遺族などに対し、遺言者の意思に基づく法律的変動をもたらすことができるのです。

さて、まず、法的効果のある遺言は、一定の事項に関する遺言に限られます。

 たとえば、遺言書に、ありがとうとか、これを守れ、等という言葉があったとしても、これは立派に故人の意思を伝えるものでありますが、法律上の遺言として法的効果を有するものではありません。
遺言として法的効果を発生させる事項は法で限定されていて、認知とか、遺産分割の方法、相続分の指定、相続人の廃除(相続人の地位から追放する)、遺贈(遺産を贈与すること)、生命保険の受取人の指定、などです。
 これら以外のことは「遺言書」に欠いてあっても、法的には効力がありません。遺族に対する事実上の影響力があるだけです。

 次に、遺言は法が定める一定の方式に則って作成されないと法的効果を生じません。
 たとえば、自筆証書遺言という方式がありますが、これは自筆で欠かないとダメです。ワープロなど使ったら自筆証書遺言ではなくなります。
 また日付を書いていないとか、署名がないとかです。
日付けも 平成20年3月吉日とかいてしまったら、いつかいたのかわからないでダメなのです。

 このように、遺言は、人が死んだ後に、その死んだ人の意思を遺言から読みって、死んだ人の意思を実現させようというものなので、遺言はきっちりしていないと困るのです。

 こんなことを書くと、遺言は法律問題で堅苦しく難しいと思うかもしれませんが、遺言は、遺族などへのメッセージで、後に残された財産などについて、遺言者の意思と希望を伝えるものです。
また、法律に関係ない、訓示のようなものや、感謝の言葉、人生を振り返って遺族に伝えたいことなどを盛り込んでも全く問題ありません。
だから、年取ってから、弁護士に相談しながら、こっそり書くというようなものではありません。遺族 のことを思いながら、いろんなメッセージを残していただければいいのです。その一部に、財産の処分とか法律に関わる事項も含まれているに過ぎません。

というわけで、遺言について固いイメージを持たれていた方へ、「そうではないんですよ。」