北海道胆振東部地震による災害を経験して-(2)初めてわかったこと | FP754のCFP試験&1級FP試験独学合格対策ブログ

北海道胆振東部地震による災害を経験して-(2)初めてわかったこと

皆さん、おはようございます。
FP754です。

このブログのメインテーマでありますCFP試験。 
次回の2019年度第1回試験に向けて、新たにCFP試験対策をスタートします。

本日は、企画ものです。

先月1月17日(木)の阪神淡路大震災24周年を受けて、昨年2018年9月6日(木)に発生した北海道胆振東部地震による災害を経験してわかったこと、今後の対策について、以前【最後にひとこと】コメント欄で綴った内容を、2週に分けて、まとめて掲載しておくことにしました。

第2週目は、今回の北海道胆振東部地震による停電を経験して、初めてわかったことです。

 


【北海道胆振東部地震

 

【今回の地震による停電を経験して、初めてわかったこと】

 

<地震時のインフラと人々の行動>

9月6日(木)3:08の北海道胆振東部を震源とした地震が発生後、札幌でも飛び起きるくらいかなり揺れましたが、すぐに収まった後、まもなくして北海道全域が停電となり、場所によっては断水になったところもあったようですが、札幌はガス、水道は通っていたものの、JR、地下鉄などの交通機関は全面運休、再開未定、道路では信号もストップしたので、警察官が交差点で交通誘導をしていました。

そして、被災した人々の行動として、まず食料の確保や燃料の補給に走るわけですが、当然、スーパー、ドラッグストアーは朝から長蛇の列、ガソリンスタンドも数時間待ちの大渋滞となり、入場、買物の数量・金額、時間制限などが実施されていました。

 

(1) マンションでは電気が止まると水も使えなくなる場合がある

すでにお伝えしたとおり、私の住む札幌市内では地震による停電で電気はストップしたものの、ガス、水道は引き続き使えていました。

ところが、それにもかかわらず、すぐ近所の公園で水を汲んでいる人が結構いたので、最初なぜだろう?と思っていたのですが、多くのマンションでエレベーターが停止しただけでなく、電気で水を汲み上げているため、給水も止まっているとのネット報道を見て、「ああ、マンションでは電気が止まると水も使えなくなるんだ・・・」ということを理解しました。

丁度、地震が起こった頃の当ブログ記事で、札幌駅や大通周辺のタワーマンションに住む方々のエレベーターは動いているのでしょうか?とのコメントをしていましたが、丁度、日経電子版に関連記事が掲載されていました。

結局、エレベーターはもちろん、電気も水も使えなくなってしまった方もいれば、自家発電でそれらは全て動いて助かったという方もいたようですが、特に高層マンションにお住いの方は、自分のマンションが停電になるとどうなってしまうのか、事前に調べておくことをオススメします。

そして、動かなくなるとわかった際には、最低限の備蓄を用意しておきたいところですが、はっきり言って、停電が起こってから行動を起こしてももう手遅れです。

ちなみに、仕事関係の人で、札幌駅近くのマンションの高層階に住んでいて、エレベーターが止まった人の話をきくことができたのですが、やはり階段の上り下りだけでもかなり大変で、「停電がこれ以上続いたらどうしようと思った・・・」と話していたので、それに水汲み作業など重い荷物を運ぶ重労働まで加わってしまったら、その大変さは想像を絶するものだと思います。

結局、私もそうですが、実際、被害に遭ってみないとそれまでは他人事で、その立場になって初めて「ああしておけばよかった・・・」と強く後悔する結果になっていますし、すでに2011年の東日本大震災時にタワーマンションに住んでいて、酷い目に遭った方は、低層マンションに引っ越されたとの話もききますので、今後、自分にも降りかかることがある災害として、事前の準備はしておくべきだと思います。

ちなみに、前回までの記事でも述べましたが、改めてウチの中を見渡すと、一見電気と関係なさそうな大型ストーブやボイラー(給湯器)も電気でスイッチを入れて点火するタイプなので、どちらも灯油があっても動かなくなってしまい、暖房もつかないし、お風呂を沸かしたり、シャワーに入ることもできなくなってしまうことがわかりましたので、マンション住まいでなくても他人事ではありません。

 

(2) 避難の必要がなくても避難所は有効活用できる

再三お伝えしたとおり、私の住む札幌市内では地震による停電で電気はストップしたものの、ガス、水道は引き続き使えましたし、午前3時の本地震以降、それほど大きな余震も起きていなかったので、特に避難する必要はなく、自宅で過ごしていましたが、すでに今年は中国や関西地方で豪雨や台風による大きな災害が起きていて、沢山報道されている中、避難所の風景をよく見ていたのを思い出し、今回の北海道地震でも避難所は開設されているのではと思い、今後への経験も兼ねて、避難所になっていそうな近所の小学校に徒歩で訪れることにしました。

そうすると、やはり差し迫った避難の必要性がないので、避難所となっていた小学校の体育館にいる方はまばらで50人くらいだったでしょうか、入り口では区役所の方が2名いて、災害時の食料配給を行っていましたが、避難している方の数も少なく、配給品もかなり在庫があるので好きなだけ持っていってくださいと言われたので、自宅待機ですが、ありがたく抱えられる限り頂戴することにしました。

ちなみに配給されていたものは、お水でも焚けるお米、乾パン(ビスケット)、いろはすなど水、お茶、おにぎり、数種類のパン、大福、どら焼きで、これらは災害時の協定により、地元コンビニのセイコーマートが提供しているとのことで、特におにぎりは賞味期限の関係で数が少なかったですが、他のものはかなり大量に余っている感じで、2日間昼1回、夜2回行ってみましたが、夜は同じメニューでした。

また、好きなだけ持っていってよいと言われたので、スーパーの袋やマイバックなどあればよいなと思いましたし、他の方は車でぱらぱら取りに来ている方がいました。

あと、避難所の役割として期待されたのがスマホの充電で、区役所の方に聞いてみたら、近所の小学校では区内の停電復旧が遅れていたのでなかったのですが、隣の区はすでに一部復旧していて、徒歩で行ける小学校に充電コーナーが設置してあるとのことでしたが、先週の記事でもコメントしたとおり、モバイルバッテリーのおかげで充電できていたことと仕事帰りに避難所に寄ったことで疲れていたので、そちらの避難所には行かなかったのですが、どのような感じで充電コーナーが設置されていたのか、充電器の数や利用者の混み具合など確認しておきたかったなと思いました。

 

(3) 北海道全域で公衆電話が無料で使えた

電話というと、スマホなど携帯電話が思い浮かぶと思いますが、昔ながらの固定電話も地震による停電で電気がストップしたことで、ウチの受話器は電波が通じなくなったのか未確認でしたが、電池の併用ができず電源コードだけで通電するタイプだったので、当然、使えなくなりましたが、地震が起きて停電した日の午後だったか、ラジオを聴いていると、北海道全域で公衆電話が無料で使える措置が取られたとアナウンスされていました。

実際の利用方法としては、公衆電話にまず10円を入れて、相手に電話を掛けた後、10円が戻ってくるという仕組みで、ラジオで公衆電話が使えないと話していたリスナーがいましたが、あれは最初に10円を入れないといけないことがわからなかったのだと思います。

また昔と比べると少なくなったとはいえ、ウチの近所にはコンビニや街道沿いに1台ずつ公衆電話がありましたが、それほど並ぶこともなく、すぐ利用できました。

印象的だったのは、自分の前に並んでいた高齢者の方が電話していた時、やはり後ろに並んでいる我々に気を遣って、相手に無事なことを伝えてから早く切ろうとしてくれていたのですが、相手が心配してなかなか電話を切らせてくれないということがありました。

その公衆電話にも災害ダイヤルの案内シールが貼ってありましたが、停電になっても、基本的に電話はもちろんメールやSNSもきちんと使えていましたが、私のように普段SNSは全くやらず、かつメールはPCメインで利用している場合は、同じメールをスマホなどでも受信できるように設定しておくことも必要だと思いましたし、実際、普段連絡を取っていない身内や友人が心配してメールをくれていたので、すぐ返信できたのは良かったと思います。

 

(4) 停電は一斉でも復旧は一律平等ではない

午前3時の地震発生後、まもなくして北海道全域で一斉に停電となるブラックアウト状態となったことで、災害に直面した私たちの最大の関心事はやはり「電気はいつ復旧するのか?」ということだったと思います。

それを判断する上で、ラジオから流れてくるリアルタイムの各地域の地震状況はもちろん、ネットで北海道電力のプレスリリースなど停電からの復旧情報をチェックしていましたが、最初、北海道全域での復旧には少なくとも1週間はかかるとのニュースを見て、「ええぇ、そんなにぃ・・・」と思っていたら、地震当日の夕方あたりからポツポツと「電気が復旧した」との市民の声がラジオに寄せられ始めました。

その中には、ウチから徒歩10分もかからないくらいの数百メートルしか離れていない隣の区も含まれていたことから、最初「なんで?」と思っていましたが、結局、当日、ウチの区は復旧せずで、その翌日、北海道全域で公衆電話が無料になっているのをきっかけに、同区の山奥の温泉街近くに住む身内に連絡をとったところ、駅チカのウチは翌日の夜だったのに、そちらは当日の夜には電気が復旧していたと話していたようです。

つまり「近くの地域が復旧しているからウチもまもなく・・・」とか、「当然、都会は早くて山奥は遅い」といったいわば先入観がありましたが、実際の復旧はそのようにはならず、病院などが優先されるのは理解していましたが、ラジオを聴いていても次第に「向かいの家は電気がついているのにウチはまだ・・・」という声が数多く寄せられ、その状況が停電により電気が使えなくて生活が不便になっていることで次第に溜まってきたストレスを余計に膨らませていたと思いますので、仮にもっと停電が長引いていたらちょっとした騒動が起きていたかもしれない・・・と心配になりました。

 

(5) 地震が起きる時期(時間帯、季節など)により、避難をはじめその後の行動が左右される

今回の北海道地震は午前3時という真夜中に発生しましたが、当時、かなり揺れたので、すぐ飛び起きましたが、デジタル時計を見ると「夜中の3:00か・・・」と思い、眠気には勝てず、そのまま寝てしまい、その後、一度目が覚めましたが、その時にはデジタル時計が消えていたので、「あれっ・・」と思いながらも、また寝てしまい、朝起きてようやく停電になっていることに気づきました。

この時の判断として、地震が発生したのが真夜中だったこと、これまで自分が被災者となるような大きな地震に一度も遭遇したことがなかったので、「大きな地震だったな・・・」程度の認識で、当然、避難という判断は全く頭をよぎりませんでした。

過去の大きな地震を振り返ると、1995年の阪神淡路大震災は午前6時前、2011年の東日本大震災は午後3時前、2016年の熊本地震は1回目の前震は午後9時台で、多大な被害を出した2回目の本震が午前1時台と、人々が就寝している時間に起こっている地震が多く、これが避難するという判断の妨げとなって、被害の拡大をもたらしたのではないかと想像します。

また今回の地震は9月6日のいう夏の終わりに発生し、北海度でも残暑が残るものの、夜は涼しくなってきていた季節だったことは正直、ラッキーだったと思いますが、これが真夏に起きていたら、停電により、エアコンはもちろん扇風機も動かなかったので、自分も使った手動のうちわくらいしか涼める道具がなく、またボイラー(給湯器)も動かないので、当然、水のシャワーや風呂しか入れず、身体も洗えない、停電が長引けば、脱水症状や熱中症などの被害も発生した可能性がある、また雪の積もる真冬に起こっていたら、部屋に備え付けの電気で点火する大型ストーブは使えない、もちろんコタツも使えない、灯油ストーブはホームセンターに行ってもおそらくすぐ売り切れ、通販は物流がストップしている商品が届かない、灯油はガソリンスタンドが大行列で、最悪、数時間の並んでも手に入らないなど、あらゆる面から暖房器具が使えず、停電が長引けば、体調を崩して風邪などの病気はもちろん、最悪、凍傷や凍死する方も出てきたかも・・・という恐ろしい状況になっていたと想像しますので、今後、備えるとしても、正直、やれることに限界があるなぁ・・・と思いました。

 

(6) 地震時の必需品

前回記事でも触れましたが、改めてまとめて挙げます。

 

①必要だと思ったもの、役に立ったもの

○現金

持ち合わせはそれほどなかったけれど、食料として自宅にお米とパンが数週間もつくらいあったので特に困らず。また地震初日はスーパーもドラッグストアーも大行列だったのでほとんど何も買わず

○ガソリン

車でスマホを充電するため。ウチはモバイルバッテリーで間に合ったので車自体使わなかったが、ガソリンはたまたま半分ほど入れたばかりであった

○モバイルバッテリー

スマホ充電用。たまたま買換えしていたりして計3台所有。2台のスマホで使用し、ギリギリ2日もった

○懐中電灯

普段プライベートで使っていたLEDの小型ライトを所有していたのと今年の中国、関西地方の災害のニュースを見て購入した災害ラジオにライトがついていて、ハンドルを回せば充電されるので電池いらずだった

○単3乾電池

LED小型ライト、ラジオ付きカセットテープレコーダー用として使用。普段から充電できるリチウムイオン電池を10本ほどを所有し、使い回していたので、2日間の停電では全く困らず。家を見渡すとリモコンなど結構、単3電池は見つかるはず

○ラジオ

英会話テープ用にラジオ付きカセットテープレコーダーを計3台所有。スマホによるネット利用と並行して情報収集用の道具として必須。特に地元など地域情報の強い味方

○うちわ

地震が起こったのが9月初旬とまだそこそこ暑さが残っていたものの、扇風機が使えなかったので、日中暑い時など仰いでいた

 

②今後のために用意しようと思ったもの

○アルカリ乾電池

今回の地震による停電は2日間と短期間だったけれど、仮に長期になっていたとすれば、大量にあると安心感にも繋がるし、非常時じゃなくても普段使用もするので、リチウムイオン電池のもちが良く値段もお得なアマゾンのPB品50本ほどを購入済

○灯油

今のところたまに余震があるくらいだけれど、今後雪が降る季節に入って、今回のような地震による停電が起こってしまった場合に備えて、暖房の灯油ストーブ用として早めにポリタンク21L×2ケ分をガソリンスタンドで確保、ちなみに毎年冬に使っている6~8畳用の灯油ストーブもすでに2台所有

○インバーター

車のシガーソケットでコンセントとUSB両方使用できるタイプの名称。今回、車でスマホは充電しなかったけれど、以前所有していたシガーソケットは譲ってしまって手元になかったので、両方対応しているインバーターを購入済

 

(7) その他やったこと、気になったこと

 

○お風呂の水張り

停電で電気が使えなくなったものの、ガス、水道は使えていたけれど、仮に熊本地震のように2度目の大きな地震が来てしまい、それらも止まったら困ると思い、すぐにお風呂の浴槽に水張りをして、水を確保、停電復旧後もしばらくシャワーだけにし、浴槽の水を張ったままにしていた。

○洗髪にガスで沸かしたお湯を活用

ウチの地域の停電期間は9月6日(木)午前3時過ぎから7日(金)午後7時半くらいまでのおよそ2日間だったものの、お風呂のシャワー、お湯だしには給湯するにも点火に電気が必要だったため、それらが使えなかったので、6日の夜は、とりあえずガスでお湯を沸かして、洗面台に張って、頭だけ洗った。

○冷蔵庫、冷凍庫の食品の選別

停電になって電気が止まると、当然、冷蔵庫、冷凍庫が冷えなくなり、中の食品でダメになってしまったものもあるが、消費できるものは火を通したら、常温でも保存できるものなど、なるべく活用できるように選別した。

○お風呂、トイレの換気

停電になって電気が止まると、当然、お風呂場やトイレの換気が止まってしまい、お風呂はお湯が使えなくてガマンしなければならなかったものの、トイレは水が流れるので、普通に使用していたのだが、やはり換気がされていないと改めて湿気や臭いが気になるものだと再確認した。

○ブレーカーを落とす

ラジオからしきりに停電が復旧して急に電気が流れると火事や家庭用品の故障を招く恐れがあるので、停電時はブレーカーを落としましょうとのアナウンスがよく流れていたが、そうすると、自分の家でいつ電気が復旧しているかわからないので、しばらく落としていた時間帯もあったけど、結局やめていたところ、突然、部屋の明かりがつき、復旧した瞬間はやっぱり感動した。

○夜空の星が満開

6日の夜は停電で街灯や各家庭の電気がついていないので、当然、外に出ると真っ暗だったが、ラジオから「いつもより星がきれい」とのリスナーのコメントが流れていたので、早速、外に出て空を眺めてみると、丁度快晴だったこともあり、いつもより3倍くらい星が見えている感覚で、星空が素晴らしかった。

○ネットによるデマの拡散

ネットニュースに出ていたが、ライフラインは電気がダメでも、水やガスは引き続き使えていたのに、今後、水も全て止まるなどのデマが拡散していたようで、ラジオでそれはデマであること、きちんと水道局がコメントを出しているなど呼び掛けていた。

 

 

【最後にひとこと】

 

地震を経験してわかったことは、自分が被災するまでは完全に他人事で、今後の準備についてもそのうちに・・・と思っているうちに、思わぬ時期に思わぬ場所で起こるものだということです。

他人事とは思わず、しっかり最低限の準備だけはしておきたいものです。