役に立たないアドバイス例 | 保険屋FPひろのお金の教室

役に立たないアドバイス例

しばらくブログをさぼっていたら、すっかり桜の季節になっちゃいましたね。

なのですが、せっかく天気が良い週末なのに、花見に行くような時間がままならない日々が続いてます(涙)


さて、最近は本業が忙しく、そちらの話題もいくつか有るのですが、今回は久しぶりに住宅ローンのお話など。


変動金利を危険物であるかのように言う方々って、まぁもっともらしい理屈をつけるのが上手いですね(皮肉)


日本の景気はしばらく回復しない(できない)ので、金利上昇のリスクは少ない


このことはおそらくそう間違った見方では無いでしょう。

が、固定金利大好きFPさんたちはこう言います。


景気が良くならなくても金利が上がる危険性がある


日本の借金が増え続けて国民の金融資産を超えてしまい、国債が消化できなくなる。

すると今度は海外からお金を借りなくてはならなくなるが、そんな借金まみれの日本にお金を貸すような国は無いので、金利を上げざるを得ない。

なので、景気が回復しなくても金利が上がる。


はぁ?寝言ですか、それ?


まぁこの手の話はFPだけじゃなく、どっかの大学の先生やらエコノミストやら経済評論家なんかも言ってたりしますけどね。

はっきり言って


馬鹿ですか?(爆)


って話です。

この手の話をする人たちは、なぜ円が安全資産と言われているのかなど全く理解していないんでしょうね。

確かにここ最近の円高は、欧米の通貨安政策のためってのもありますが、一方で危険な通貨ならばこんなに円が上がる事も無いってことも言えるわけです。

ちなみに自国通貨建ての内債が危険と考える国なんてありませんので悪しからず。

そんなものお金を発行すれば解決する話ですから(まず今の日銀はやらないでしょうが)。

そんなことするとハイパーインフレになる!

なんてことを言う方々もいますね。

確かにインフレにはなるでしょう。けど、今の日本の不景気はデフレだからなので、少々インフレになることはかえって国内景気のためには良いことでしょう。

というより、デフレ脱出のためにはそれが必要なソリューションなのですが。

ハイパーインフレなんて言葉、軽率に使うと自らのバカさ加減を宣伝するようなモンですよ。

ちなみに良く例に出されるのはジンバブエですが、確かにジンバブエは凄まじいインフレになりましたが国家は破綻しましたか?

してないでしょう?

それが何故なのかってことですよ。


また、この手の話をする人たちって、金融機関がまるで悪いもののように言いますよね。

銀行に騙されるなとか、保険会社に騙されるなとか。

そんなに悪いものと思うなら、いっそ銀行や保険会社と縁を切ったらいかがですか?と言ってあげたいです(笑)


僕に言わせれば、金融機関を悪者の様に扱い、自分はさも消費者の味方ですみたいなポジションをアピールし、不完全な知識で消費者をミスリードする方が問題だと思いますけどね。


ここでもう一つ問題を指摘しておきましょう。


10年国債の利回りが今の1%から3%に上がったとしましょう。

フラット35の金利は2.13%で変わりませんが、変動金利は2.875%になります。

すると、結果金融機関の儲けは大きくなります。

金利変動はお客さんがリスクを負わされてるんです。

銀行が「皆さん変動金利を選んでますよ」というのは、銀行に騙されてるんですよ。


こんなコトを平気で言うFPがいます。

このアドバイスを真に受けたお客さんに心から同情しちゃいますね。

住宅ローンの金利を話す以前の問題です。

10年国債の利回りが上昇したところで、変動金利は政策金利に連動するのですよ。

なので、仮に10年国債の利回りが2%上昇したところで、それが変動金利が2%上がることには繋がらないのです。

それに、もし仮に10年国債が2%の金利上昇をした場合、日銀はどんな政策を取ることが考えられますか?ってことですよ。

こんなアドバイスが役に立つとすれば、今すぐ仰るように金利が上昇した場合だけです。

が、今の経済状況、景気動向、日銀の政策、そして政治、このような背景を考えると仰るような状況になりますか?

本気で言ってるのであれば、頭悪すぎです(爆)

10年国債の金利だけがいきなり2%上がるなんてコトはありませんから。

確かに昔はバブルなどもありました。

けどその時ってどのように時代が動いていたでしょう?

経済、景気、政治etc・・・


良く、良いインフレと悪いインフレ、良い金利上昇と悪い金利上昇などという事を仰る方もいらっしゃいます。

しかし、その様な条件に当てはまるケースを具体的に示す事例など見たことはありません。

言葉遊びなら他所でやってくださいって感じですね(笑)


部分的に正しい知識であっても、それらを組み合わせたら間違ってるってことじゃ誰の役にも立ちません。

そもそも、住宅ローンのポイントを金利の問題としか考えられないようでは、誰かにアドバイスする資格など無いと思いますよ。


ってなんだか長くなってきちゃいましたね(^^;

ですが、まだまだ書き足りないので続きは次回に。