簡単には解決しませんよね・・・ | 保険屋FPひろのお金の教室

簡単には解決しませんよね・・・

こんにちは。横浜のFPひろです。


最近はなにかと気になる話題が多いですよね。

そんな話題の中から一つ。


第3号被保険者制度の見直し


いわゆる専業主婦の年金の見直しですね。

あ、専業主婦といっても自営業の方の配偶者は対象になりません。

サラリーマン(第2号被保険者)の配偶者が対象です。


時事通信より以下転載

見直し案は、夫が納めた保険料の半分を妻が負担したとみなし、夫婦が折半で年金を受給するという内容。
現行制度は、サラリーマン世帯の専業主婦が保険料を納めなくても老後に基礎年金を受け取れるため「専業主婦優遇だ」との批判があった。厚労省は29日の社会保障審議会年金部会に見直し案を提示した。


今も既に年金分割の制度はあるんですけどね。 

まぁそれはまた違う話になるのでちょっと置いといて。

厚生年金の場合、年金と言う資産作りを夫婦という一つの単位で行うという考えに基づいた設計になっているので、確かに個の時代と言われる現代にはちょっと合わない部分もあるかもしれません。




このニュースに対する反応としては


共働きや独身者が専業主婦の年金まで負担するのはオカシイ

とか

働かない人達の年金まで払ってやらなきゃならないなんて

などという意見が多数ありました。


また


働いてないのに厚生年金がもらえるなんて

なんて全く誤解してる人もいらっしゃいます。

ちなみに3号被保険者がもらえるのは基礎年金部分だけなので、厚生年金は受け取りませんよ。

結婚前にお勤めされていて、厚生年金保険料を納めていれば別ですが、それも納めた期間分だけ。また等級によって受給額は違います。



しかしいろんな意見がありますが、年金に関して(年金だけじゃありませんが)正しく理解している人があまり見受けられないところこそが問題な様な気もします。

年金制度が賦課方式といって、今納めている保険料が今受給する人のために使われているってこともご存知無かったり・・・

(と言いつつ、自分の親も年金について全く知らず、年金の基礎から説明するハメになったことがありますが・・・)

まずはそこからどうにかして欲しいものです。

全ての人に認知してもらって、その上でどう制度を改革していくかじゃないですか?

大体担当大臣自体が現行制度を知らないんじゃ論外ですよ。


話を戻すと、外で働いて収入を得ることだけが労働ではありません。

確かに家事や育児は自らの家庭のためであり、一般的な労働生産性云々と言う話にはなりませんが、その価値は決してゼロでは無いと思います。


もっとも働いている主婦や自営業の方からすれば恵まれていると思うのもわかりますが・・・


ただ、この問題ってそう簡単には考えられませんよね。

年金受給を折半にすれば熟年離婚も増えそうですし。

夫婦別姓を推進している民主党の政策だけに、どうしても穿った見方をしてしまいます。


まぁそれは置いといて。


主婦の労働的価値がゼロってのはあまり賛成できません。

僕の本業の話になりますが、良くファイナンシャルプランナーが主婦には死亡保障なんて必要無いなんてコトを言ってますが、それにも通じる事だと思うんですよね。

収入を得ていないから金銭的な価値が無いってのはかなり乱暴な考え方です。

専業主婦には専業主婦ならではの役割ってものもありますし。


それと、今の見直し案でいくと、夫が先に死亡すると夫の厚生年金の4分の3を遺族年金として受け取れる現行制度が、見直しが実現すると受給額が2分の1に減りますよ。

妻が先に死亡した場合も夫の年金が現在より半額になります。

結果として全体の受給が減るだけに思えるんですけどね。

どこが一歩前進なのでしょうか?

浅はかな改革は、かえって誰の為にもならないような気がします・・・