メディア経由の情報はかなりいいかげんですよ
毎朝Yahoo!ニュースとコメントをチェックするのが日課の横浜のFPひろです。
で、今日のお題目
住宅ローン低金利競争の行方
産経新聞が記事元ですね。
しかし・・・記者といい、監修を寄せる専門家といい、何でこんなに的外れなことばかり書くんでしょ?
関連するリンクも目を通してみましたが、どれもこれもツッコミどころ満載(^^;
確かに銀行の低金利競争は誰もがビックリするような状況です。
今や銀行は熾烈なパイの奪い合いです。
住宅ローンに限らず、銀行の融資残高は減る一方。しかし預金残高はどんどん増えるばかり。
銀行は融資を行い、その利息を収入源としてますので、少しでも融資残高を積み上げる事に必死なんですね。
つまり金余りで困っているという事です。
そこに長期金利の下落、日銀政策金利がほとんど0金利となっていることが拍車をかけているんですよね。
なので顧客の奪い合いをする・・・と。
ここまでの現状認識はまぁ良しとします。
しかし、これらから導き出される結論って・・・
なんでそうなるかな~~~~?って感じ。
これは半年前のことですが、今年は金利の上昇に注意なんて記事もありました。
http://allabout.co.jp/gm/gc/376314/
国債の格下げで金利が上昇するらしいですよ。
また、先月号のアゴラでも、変動金利でローンを組んでる人は、早めに再考したほうが良いそうです。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110702-00000000-agora-soci
専門家を名乗る方々って、皆経済オンチなんですかね?
日本は先進国で1番財政が悪いとか、バカな事言いなさんなって。
なんかこの手の情報発信をする方々って、いつも結論は同じで、三橋さんが言うところの『ドミナントストーリー信者』って感じですね。
曰く『年金は破綻する(破綻している)』とか、『金利は急上昇する可能性がある』とか。
これ、『日本は財政破綻目前』とか、『国の借金がーーー!』、『国債が暴落するーーー』なんて言ってるのと同じ。
一見もっともらしい事を言ってるようで、実は穴だらけ。
でも、こんな情報が周りをミスリードするんですよね。
例えば、ギリシャは財政破綻寸前で、長期国債の利回りが・・・日本にとっても対岸の火事ではない!みたいな事を言ってたり。
でも、日本とギリシャの状況は全く異なるので、同様に論じる事は出来ません。
その違いを考えずに、日本もヤバイ!なんてアホ過ぎます。
結論から言えば、日本の長期国債は暴落もしませんし、金利の暴騰もありません。
大体、国債発行残高が400兆円の時も、『破綻だーーーー!』なんて言ってましたよね。今はその倍を越えてますが、その間に国債の暴落や金利の暴騰はありました?
で、住宅ローンの話に戻ると・・・金利上昇の根拠が、『世界でも例が無いこの超低金利が異常であり、長く続くとは思えない』じゃ、全くもって説得力が無いじゃないですか(笑)
そして、今の低金利は間違いなく現実の話ですし、異常事態でも何でもないんですよね。
なぜそうなるのかが理解できれば、少なくとも異常なんて言葉は使わないはずです。
僕らFPとかアドバイザーという職種は、まず現状を分析するところからスタートするんですが、それを異常事態と言ってちゃ分析もヘッタクレも無いのでは?
センセーショナルなコピーで周囲を躍らせるような事してないで、キチンと現状把握と分析に努めましょう。
全ての事象には、かならずそうなる理由が存在します。
今、円が高い理由も、国債が暴落しない理由も、長期金利が低い理由もキチンと説明がつくものです。
日本版サブプライムローン問題が起きない事を祈っています。
こんなコトばかり言ってると、そのうち信用を失いますよ。