報道が伝えない本当のこと【年金】 | 保険屋FPひろのお金の教室

報道が伝えない本当のこと【年金】

横浜のFPひろです。


前回に引き続き、報道がミスリードさせているネタを一つ。


タイトルにもあります通り年金です。


皆さん年金に対する不安ってかなりありますよね?


このブログでも『個人年金』を取り上げた記事には相変わらずアクセスも多いですし・・・


でもどんな不安を持ってるのでしょう?


将来年金なんて受取ることが出来ない?


年金制度が破綻する?


それはなんでそう思うのでしょう?


少子高齢化だから?


年金の納付率が低いから?


確かに『将来もらえないのなら払いたくない』と言って年金保険料を納めてない方もいらっしゃいますよね。


報道も納付率60%!みたいな事を平気で言ってますからね。


でも!


ココにもわざとそういう誤解を誘う報道の姿があるんですよ。


これも数字のマジックですね。


年金制度ってどうなってるか覚えてますか?


国民年金は自営業などの1号被保険者、サラリーマンや公務員の2号被保険者、そして2号被保険者の配偶者である3号被保険者となってますよね。


1番多いのは何号被保険者?


はい!そのとおり!


第2号被保険者ですよね。日本人で1番のボリュームゾーン。


では納付率60%なんていってるのは?


これ第1号被保険者のうちの60%なんですよね。


ちなみに2号被保険者も国民年金に加入してるので(厚生年金や共済年金は2階部分。1階部分の国民年金は全ての年金加入者が加入です)


で、年金加入者全体ではどのくらいかと言うと7000万人に達するんですよね。

そのうちの第1号被保険者は2000万人くらい。

その2000万人のうちの60%が年金保険料を納めている人。

残りのうち免除・猶予といった方々が役500万人。

未納が300万人くらい。


保険料納付率が下がっているから年金が・・・


なんていってるのは全くのデタラメ。


年金加入者全体で見れば僅か5%程度の人が未納、つまり払っていないことになりますが、その程度で制度が崩壊するようなことはありえませんよね。


社会保険庁の不正なども取り沙汰されますが、それは個別の問題であり、制度全体が崩壊するような問題ではありません。


なんか報道には悪いイメージを与えたいという恣意的なものを感じます。


更に言えば、年金制度は賦課方式です。

今僕らが払っている保険料は、現在受け取る方々の為に使われています。

年金保険料を払っても受取れないというのはちょっと変でしょ?


だって僕らがもらう年金は、僕らの下の世代が払う保険料で賄われるのだから。


年金保険料を払わないことで起こるのは『受給権を失う』という事です。


年金の原資の半分は皆さんが納めている税金なので、受給できないと言う事になると税金の負担だけして自分はその分配を受けられないと言うことになるんですよ。

制度を正しく理解していないと、つまらないニュースに引っかかるんですよね。


報道は中立なんていうことこそ嘘で、報道も一部だけ切り取って伝えると、真実とは全く異なることが伝わります。

そしてそれがまかり通っているのが現状なので、疑問に思うようなことがあれば自分で調べてみると良いですよ。


世の中で広く認知されていることでも、事実は全く違うという事はかなりありますから。