医療保険の考え方の続き
こんにちは。横浜のFPひろです。
早速ですが前回の続きから。
『保険は損得で入るものではない』というところでしたね。
いきなりですが、ちょっと話は変わります。
さて、車を持っている方にお聞きしますね。
『自動車保険に入ってますか?』
馬鹿な事を聞くなと言われそうですね。
自動車を所有する方で保険に入ってない方はほとんどいないと思います。
(中にはいるんですけどね。前職時代にイヤな経験がありますが、それはまた別の機会に)
それじゃもう一つ質問します。
『なんで自動車保険に入っているんですか?』
万が一事故に遭遇したら困るからですよね。
『でも自動車保険は毎年保険料を払ってそれっきりじゃないですか。
それは損だとは思いませんか?』
アホかと言われそうです(笑)
ちゃんと保険に入っているから安心して運転できるわけですよね。
ここまで言えばわかりますよね?
保険は『安心を買う』商品と言う側面もあるわけです。
自動車保険は自動車を安心して運転する為に必要なコストですよね。
でもその保険料は?
車種や被保険者の年齢、等級など様々な条件によって変わりますが、安くても年間数万円、高ければ何十万円もかかるものです。
そして、それは車を所有している間中かかりますので、人によっては30年とか40年負担するものですよね。
でも、そこに損得の考え方はありませんね。
それとも保険を使わなかったから損をしたと思いますか?
元が取れるとか取れないとかの次元の話では無いと思います。
さてここで話を戻します。
じゃあ医療保険は?
自動車事故の発生はおよそ42秒に1件、新入院患者の発生はおよそ2秒に1人。
事故に遭うよりも入院する確率の方がはるかに高いですよね。
ところが医療保険不要論者にかかると何故医療保険は『元が取れないから損』みたいな話になるのか理解不能です。
本当に損得で判断しても良いものでしょうか?
病気や怪我はいつ自分がそうなるかわからないですよね。
不意に不測の事態となったときにお金の心配を軽減してくれるものが保険なのではありませんか?
であれば使わなかったら損と言う考え方はどうでしょう。
保険には経済的な役割と共に精神的な役割もあります。
そこを無視して損得の話に持っていくのはちょっと強引だと思いませんか?
ちなみに医療保険の保険料は、商品にも寄りますが、自動車保険と比べても高いと言うほどのものではありません。
毎月2、3000円の保険料も30年支払えば72~108万円となりますが、その分を貯金していれば必要無いというのは本当だと思いますか?
30年の間に病気も怪我もしないという保証がありますか?
30年後を心配しているのではなく、今も将来も心配しているから保険なんじゃないですか?
そして事故と一緒で、いつその様な事態になり、いつまでその状況が続き、どのくらいの費用がかかるのかがわからないから保険と言う手段で備える。
そういうことですよね。
医療保険不要論者はご自身が健康で何も不安が無く、経済的にも十分な蓄えがあるので大丈夫という感覚なのでしょう。
医療費用貯蓄をしていれば良いと言いますが、普通そんな目的別に貯蓄しますか?
貯めている途中で病気や怪我になったらどうするのでしょう?
まだ必要なお金が貯まってないからって、貯まるまで病院に行くの待ちますか?
そんな馬鹿な事はありませんよね。
もちろん貯蓄を否定しているのではありませんよ。
保険で備えつつ貯蓄もする。
リスクに備えると言うのは本来その様に手段を分けて同時に考えるものですよ。
保険は安心して暮らす為のコスト。
そのように考えると損得の話では無いという事はお分かりいただけますよね。
しかし、先の見通しが利かない世の中なので、なるべくお金は無駄に使いたくない。
それは当然だと思います。
なので、お金のより有効な使い方を考える。
コレがFPの使命であり仕事です。
何十年間という間・・・つまり一生涯と言うスパンでのものの見方をする必要があるんです。
何事においても目先の損得や、高い安いで判断するものではありません。
あれ?なんだか元のミゾさんの記事からだいぶ違う方向になってしまったような・・・