ミイラ取りがミイラになってはいけません
こんにちは。横浜のFPひろです。
今日はどうしても一言言いたくて記事を書きました。
見苦しいとか不快だと思われた方がいらっしゃったら先に謝っておきますね。
『保険は担当者』
えふぴぃしぃさん も仰っていますが、最近ホントに実感しています。
というのも僕の知人が最近保険代理店を始めたのですが・・・
その方、元は一部上場企業の結構なポストにいらっしゃった方。
従来の保険のあり方に疑問を持ち、『お客様の為に役立つ保険を』と志を持たれて独立開業されました。
ここまでは良くあるお話。
そして、従来の保険を否定し、ご自身の扱う商品が如何に良いかを力説する。
コレも良くある話。
しかし・・・
何度か書いてますが、商品自体には何にも問題は有りません。
いきなり壊れて暴走してしまうとか、燃えてしまうとか、食あたりを誘う・・・なんて保険商品自体が悪さをする事はありませんから。
じゃあ何が問題なの?
というと・・・その保険を設計・提案した募集人ですね。
保険商品は、それを何のために加入するのか?どう使ったら良いのか?
を適切にガイドする募集人の力量によって良い保険にも悪い保険にもなります。
そのコンセプト作りに必要なものはお客様に対する『愛情』でしょう。
お客様の『重い想い』を保険に込めるお手伝いをするのが募集人の仕事です。
僕も新人時代、『その保険のコンセプトが見えない。君はお客さんをどうして差し上げたいの?君のために保険に入るお客さんなんていないのだから、お客さんの事を真剣に想って設計しなさい』と良く説教(指導?)されました。
しかし、その知人・・・まぁ他所の保険をメッタ切りしまくりで・・・
(僕もこの仕事始めたばかりの頃はそんな話をしたりしましたが・・・)
しかも、運用経験が長いことが災いしてか、保険と資産運用を混同しているような・・・
(コレ、運用系FPにも多く見られますね)
日頃『考え方なんて幾通りもある』とは言ってますが、それでもさすがにコレは・・・
と、ちょっと気になったので取り上げてみようと思った次第なのです。
事例として、変額終身保険にご加入中のお客様の保険を見直して、ご自身が取り扱う保険に変えていただいた話をされていました。
保険料は2/3に下がり、保障額は3倍になったそうです。
という事は終身保険を解約し、定期保険に入りなおしたという事ですね。
その方によると、変額終身保険は以前のように経済が成長している時は良いけれど、今のような時代にはリスクであり、資産形成をするなら新興国のオフショアファンドで行い、保険は保険として分けて入る方が正しいのだそうです。
なので、保険料は安くなるように定期保険に加入し、差額は運用に回す提案を行ったそうですよ。
これ、相当危険なお話ですね。
ヤバイです。
この時代、変額終身保険のような商品を資産形成目的で加入する方ってまずいません。
そもそもの保険設計のコンセプトをキチンと拾って差し上げなくては、お客様にとって迷惑以外の何ものでもありませんよ。
少し解説しておくと、変額終身保険はお客様からお預かりした保険料を信託などの特別勘定で運用するので、そのリスクはお客様ご自身に帰属する一種の運用商品であることは確かです。
しかし、その運用を見込んで予定利率が3~4.5%程度で設定されているものが多く、同じ保障を求めると、一般勘定のものと比べても予定利率が高い分保険料がかなり安く設定されていたりします。
保険金額は保証されているので、終身保険を安く準備したい方にとってはコレ以上の商品は在りません。
保険料が定期保険に比べて高いとはいっても、保険期間中に死亡・高度障害が起こらなければ1円も受取れない定期保険より、必ず保険金を受取ることが出来る終身保険が劣る理由を探す方が難しいですね。
その保険を辞めさせて自分が取り扱う定期保険に加入させ、且つオフショア投資を始めさせる。
これのどこがお客様志向なのでしょう?
定期保険は保障として評価し、変額終身保険は運用商品として評価する。
これじゃ、その代理店さんご本人が嫌った従来の営業手法とどこも変わりません。
ちなみに先日の記事で取り上げた、メディアなどで偉そうな事を言ってるFPさんも同様ですね。
彼らは運用に強いので、保険の予定利率などは低く見えますから、運用するならもっと良い商品をという話をしがちです。
運用の相談をされてるのならそれでも良いでしょうが・・・コレは保険のお話です。
そもそも比較にならない比べ方をして両者を論じるのは、自分が欲しい結果に導く典型的なポジショントーク以外の何ものでもありません。
この話をマトモに受け止めてしまった人がカワイソウですよ。
コレではミイラ取りがミイラになっただけで、『これを否定する募集人は、勉強不足か、自分の報酬中心に考える募集人だ』なんて言えません。
僕ならば、もしお客様が『保険料を負担に感じているけれど、保障がもっと必要だ』とお考えだったとして、その変額終身を減額や払い済みなどで極力活用できる方法を考えます。
その上で必要な保障額と支払える保険料の折り合いを探っていく。
本来保険の見直しとは商品を入れ替えることではなくて、現時点のお客様の求めるモノにフィットするようにアレンジしていくことです。
結果的にそれまでの契約を解約して新しい保険に加入し直すとしても、そのステップで進まなければならないと思ってます。
プロの仕事って、また志のある仕事ってそういうものじゃないですか?