生命保険の使い方 | 保険屋FPひろのお金の教室

生命保険の使い方

こんにちは。横浜のFPひろです。


土曜日はお付き合い頂いてる法人の社長さんのお宅へ訪問いたしました。


『ちょっと相談があるんだけど』


と改まって言われ、何事かと思いお話を伺うと・・・


『来月、再来月の保険料の支払いが厳しい』との事。


なので、まずはどのような状況なのかを確認させていただきました。

この会社は今期で5期目、社長さんとはかなり以前から個人的にお付き合いがあり、20年近く可愛がってもらってます。

資金ショートは本当に僅かな期間のみ。

これなら問題は簡単に解決です。


『社長。簡単な事ですよ。契約者貸付を使ってください』


実はこの会社、年間保険料を1000万円近くお預かりさせていただいてます。

既に結構な返戻金がプールできているのですが、そのことをすっかり忘れていらっしゃるようでした。


『どのくらい使えるものなの?』と聞かれましたので、お申し込み時の設計書を確認していただくと・・・


『こんなにお金があったのか!』


法人の資金繰りに関して、たとえ1円でも足りないものは足りない。

取引先や従業員に対する責任がありますから、現金の確保はとても大事ですね。

慌てて銀行に相談しても、融資を取り付けるまで時間がかかる上、今はなかなかすんなりと運転資金を貸し出してはくれません。


『こんな時のための保険ですよ』


この場合、特に収益の悪化によるものでは無い為、特に利益を計上する必要はありません。

つまり利益はいらないけど現金が欲しいという状況です。


法人契約の生命保険は、経営者の万が一を支えるだけではあまり使い勝手が良いとは言えません。
もちろん大きなキャッシュアウトを伴いますが、支払った保険料でしっかりストックを作っておくことも役割の一つです。


今回はさほど大きな金額を必要とするものではありませんでしたが、たとえ数十万円でも足りないと言うことになれば経営上大きな問題となってしまいます。



先日もある法人で、大きくキャッシュが足りないと言う状況がありました。

本当に急を要する問題となってしまい、銀行の融資など申請しても間に合わないと言う切羽詰った状況でした。

その現金が必要なのは本当に一瞬なのですが、それでも必要とするときに手元に現金が無いというのは経営者としては避けたいところですよね。


保険がお役に立つのは何も給付だけではありません。


出来ることなら給付を出すことなくその役割を終えることが最も幸せな状況でしょう。

特に法人の場合、使い方は一つではありません。経営戦略上の有効なツールとして準備しておいていただくことが重要なんです。


巷では3月危機ということがまことしやかに言われています。

特に中小法人の経営者の方には、結構切羽詰まった状況にある方もいらっしゃるでしょう。


今回の法人の様に、苦しい中でもしっかりと準備しておけば、結果的にご自分を助けてくれる使い易い手段にもなりますね。


ところが!


たまに他社さんの契約内容を見させていただくと・・・


個人で加入するのなら良いとしても、法人の保険の使い方には全くマッチしていない保険契約というものも結構見受けられます。


法人契約の生命保険こそ、年に一度は棚卸しして、経営のお客に立てていただきたいですね。