転換って何?
前回の記事 の続きです。
予定利率が高い保険契約は保険会社の経営を圧迫すると書きました。
何故かはおわかりですよね?
予定利率が高いという事は、その分保険料が少なくなります。
少ない保険料でキッチリ保障しなければならない訳ですから、運用成果が出ていない場合は保険会社がそのマイナスを負担しなければなりません。
つまり収益が出なくなるという事です。
保険会社としては、その逆ザヤ契約を無くしてしまいたい。
しかし、解約されると保有契約と保険料収入を同時に失ってしまう・・・
そこで手っ取り早くその問題を解決する為に行ってきたのが『転換』です。
転換とは、それまでの契約の解約返戻金を新しい保険契約に充当するという、保険の見直し方法の一つです。
『新しい保険が出たので、今までの保険を下取りして乗り換えませんか?』という提案を受けたという話を聞いた事がありませんか?
そう、その『下取り』こそが『転換』なのです。
仕組みとしては自動車の下取りと同じ様に、新しい保険契約の保険料の一部に充当します。
つまり、以前の保険の解約返戻金で支払うと言う事ですね。
『保険料はそのままで保障が充実します』とか『保障はそのままで保険料は安くなります』
皆さんこんな事を言われて加入した覚えがありませんか?
そもそも生命保険は年齢によって保険料が決まります。
同種の保険契約を行うのであれば、年齢が上がって保険料が下がるという事はありえません。
覚えがある方は今一度ご自身の契約を確認しましょう。
内容によっては契約者にかなり不利になります。
何が問題なのかというと・・・
一つは当然のこととして、高い予定利率であった契約を今の低い予定利率のものに入れ替えます。
お客さんにとってはかなり勿体無いことをしてしまう・・・
保険会社にとっては逆ザヤ契約が消滅するので収益が改善される。
『お宝保険は大切にしましょう』というのはココからきてます。
一昨年に大手生保が逆ザヤ解消なんてニュースがありましたが、これは収益体質が改善されたのではなく、逆ザヤ契約を大幅に少なくする事が出来たという事です。
もう一つはそれまでの解約返戻金が、新契約への充当により取り崩されてしまう事があるという事です。
つまり資産が減少していっているのです。
他にも内容によってはだいぶ厳しい事になっている事もあったりします。
転換と言う手段自体が悪いわけではありません。立派な見直し法の一つですが、その用い方の多くはちょっと・・・
実際現場で起こってることは・・・また次回に。