住宅ローン
前回に同様のテーマで書いてからちょうど1ヶ月になりますが、ここでもう一度書いておきます。
相変わらず住宅ローンに関する記事は長期固定に誘導したがる傾向が多いですね。
住宅ローンの金利が決まる仕組みや、住宅ローンという商品の特性をあまりご存知無いのでは?
とすら思う事があります。
このような方は決まって『バブルの頃は公庫で最大5.4%、都市銀では8.5%まで上がった。今後またそんな金利になったら大変だ』という論調です。
しかし・・・
その頃って所謂バブルの頃ですよね?
その水準まで金利が上がるという事は、再びバブル並みに景気が良くなるということと同義です。
バブルの頃をご存知の方は思い出していただきたいのですが、その頃って景気はどうだったでしょう?
住宅ローンの金利だけが突出して高く、家計を圧迫していたでしょうか?
そんなコトはありませんでしたよね?
ちなみに金利決定の仕組み
変動金利を決める基準となっているのは短期プライムレートで、この金利は各銀行が独自に決定し、企業に短期の融資を行う際に基準となる金利です。
この短期プライムレートの金利は日本銀行の政策金利が影響します。政策金利が上がると短プラが上がり、変動金利が上がるという仕組みです。
一方長期固定金利は主に10年の国債の利回りに連動しています。
つまり変動金利は政策に、長期固定金利は長期資産の需要と供給という市場のメカニズムに影響されると言う事なんです。
一応日銀の政策は毎月HPの『金融政策に関する決定事項』で確認できますし、9月の発表ももうそろそろあると思いますが、無担保コールは0.1%で推移させるとなってます。
これはなかなか景気回復の兆しが見えない上に、下振れのリスクがまだまだあるという判断に基づいています。
そして景気回復の見込みは?と言えばまだ2番底があるのでは?というくらい危うい状況なので、景気を考えず金利だけが上昇するという事は考えにくいところです。
そして景気回復と金利上昇どちらが先に来るかと言えば、景気回復でしょう。
という事で、現状で金利上昇のリスクを訴えてもあまり現実的ではないと思うわけです。
そして、住宅ローンを考えるのであれば、現状の低金利を最大限有効に活用するならば、可能な限り低い金利で元金を減らす事を優先した方が良いのでは?と思うわけです。
あるFPは『5年ごとに0.5%ずつ上昇すると仮定して』と言ってましたが、現在変動金利は2.475%、金利優遇は1~1.4%なので、最低で1.045%と考えると10年固定2.2%と同等になるのは10年後です。それまでの元金の推移を見れば、変動で借入した方が明らかに借入残が少なくなってますよね。
そして利息は借入残に金利を掛けるので、変動金利を選んでも言われているほどのリスクは無いコトがわかります。
第一5年ごとに0.5%ずつ上昇するとなれば、かなりの景気回復になっているはずですし、そうなれば我々の所得も今のままという事は無いのではないでしょうか?
長い眼で見れば金利の上昇はあるとは思いますが、明日いきなり金利が高くなっているなんてことはありません。必ずその予兆は見て取れますので、必要以上にリスクを感じることはないのです。
長くなったので、続きはまたの機会に