法人の生命保険―その4 | 保険屋FPひろのお金の教室

法人の生命保険―その4

昨日の記事 で保険料の取り扱いについて触れましたが、もう少し掘り下げて説明します。


会計上法人の場合支払った保険料の処理は『損金』か『資産』に分かれます。


『損金』とは所謂『経費』ということです。使ってしまってそれっきりなくなってしまうお金の事ですね。

経理処理上は『支払い保険料』として勘定します。


『資産』は会計上持っているものとして数えますので、例えば銀行に預けている状態と同じなんです。つまりお金のありかが変わっても会社のお金であるということに変わりは無いという事ですね。

こちらは経理上『保険料積立金』として処理されます。


全額が損金や資産で計上できればシンプルでわかりやすいのですが、中には1/2、1/3を損金として算入するなんてものもあります。

ココが経理処理上ちょっとめんどくさい部分なんですけどね。


損金のメリットをわかりやすく『全損』を用いて説明すると、『経費』として使っってしまったお金ですが、解約してお金を受け取った時に利益として計上できるのです。決算で赤字を出したくないような時にこの方法を使うと現金と利益を発生させる事が出来ます。

支払う時はその逆で、利益が出た時に『損』を発生させるので、課税される利益を少なくさせる事が出来ます。つまり税金を減らす効果が出来るということですね。


利益が出た時は課税される利益を圧縮し税金を減らす。マイナスのときは解約や減額してお金を取り出し赤字を避ける。このように利益をコントロールする事で決算をある程度一定にコントロールする事が可能になるわけです。


では反対に資産計上の場合はというと、毎月(毎年)一定の固定資産の増加による資産形成を行いつつ、解約返戻金はや保険金受取時に保険料積立金という資産の取り崩しを行います。

つまり出口のところで経費計上するということになるのです。


どちらを選択しても最終的にはほぼ同じような効果が得られるのですが、大事なのは経費に出来る出来ないとか課税関係云々では無く、お金の流れをどのようにコントロールするのかという事です。


加入目的を明確にしてその目的に相応しい選択を行うことで『亡くなった時』も『生きて一線を退く時』もまた途中で目的外に非常事態にも備える事が出来る財務リスク回避手段として活用する事が大事なのです。


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