ついに | 何気ない1日

ついに

診察室に入ると先生が2人。


先ほど検査したNST検査のグラフを持っている…


赤ちゃんの心拍数が少し落ちてしまった所に赤い丸印…

そして何となく予想していた言葉


「赤ちゃんが苦しんでいます。このままには出来ません」


自然に妻の手を握りしめ、先生に頭を下げる「先生どうか宜しくお願いします」

診察室を出ると、病棟から車椅子の迎えが来ていて、それに乗せられて妻は産婦人科病棟へ向かう。

手術室の空き待ちで直ぐに手術となる為、血管確保、点滴、術衣への着替えなど妻の処置が始まる。


その間に義母さんに電話をして荷物を持って来てもらう。


手術は午後2時から。

この微妙な待ち時間が不安を煽る。

妻は赤ちゃんに会える喜びよりも手術への不安の方が大きく、もの凄く怖がっている…


変わってあげられたらと何度も思うが「絶対に大丈夫だよ」と声をかける事しか出来ない…

13時40分


手術室に向かう


手術室に向かうエレベーターの手前までしか一緒に行けないので、あとは妻に頑張ってもらうしかない。


「私が帰って来るまで赤ちゃん抱っこしててね」と言い、妻はエレベーターに乗った。


妻の姉が帝王切開で出産した時、麻酔が効きすぎて2日間意識不明、意識が戻ってからも一週間位記憶がなくなっていたと言う事もあり、妻は自分が「戻って」こられるのか不安だったらしい。

手術は1時間から2時間。


その間は産婦人科の待合室で待つ…


ただただ祈るしかない…


男は無力だ…


続く…