そもそも父親は当時どうして家を買うという選択に至ったのか、
お金のことは子供の前で話さない主義だったし
今は父親は口が聞けないので、推測するしかないけど。
何となく家を買って初めて一人前とか、一国一城の主みたいな憧れがあったのかもしれない。
■賃料との比較
でも90年代半ば当時の環境を振り返ると、
住宅ローンの金利がまだかなり高くて(固定3.3%)
住宅ローンの毎月の返済額は賃料と比較してもほとんど安くならない。
(今の金利だったら、同じ家に住むなら賃貸より住宅ローンの方が圧倒的に安い)
だったら、しばらく賃貸で様子を見るという選択肢もあったよね。
脱サラしたいという希望が胸の内にあったのなら尚更。
今の金利と比べて高いっていうのは結果論だけど、
家賃(賃料)と比べて割安感がないのは当時でも十分わかる話。
5000万円のマンションで利回り5%とすれば、家賃は20.8万円くらいだから、
当時の住宅ローンの支払額とそう変わらない。
横浜市内で家賃20万も払えばかなり立派なマンションに住めるでしょ。当時でも今でも。
(5000万円、35年、3.3%元利均等の住宅ローン月額支払額=20万ちょっと)
ファミリータイプの賃貸物件は数が少なくて探すのが大変だったのかもしれないけど、
家を購入したのは子供が小学校高学年の時。
あと10年もすれば子供は巣立っていくんだから、
そのタイミングで3LDKを買うのはもったいなかったとも思う。
■借り換えができない
脱サラしてなかったら途中で金利が下がった時に安い住宅ローンに借り換えができて、
月額の支払額をがくんと減らせたかもしれない、と考えると
やっぱり諸悪の根源は、脱サラだったとも言える。
脱サラして飲食店を始めたことで、当然開店資金をドブに捨てたし
サラリーマンの安定した給与、老後にもらえる厚生年金や退職金(の一部)も失ったけど、
住宅ローンの審査に耐えうる信用力を手放すことにより、
低金利の住宅ローンに乗り換えるチャンスも失ってた、ということ。