今回は、自分が大学生のころ5年ほど働いていたユニバーサルスタジオジャパンを題材に、
世界のエンタメパークと世界のユニバーサルスタジオの情勢について推察しました。
以下データは、2009年から2023年までの米国、日本、中国、フランス、韓国におけるテーマパークの訪問者数と売上高の推移を示している。
アジェンダ
① 世界のエンタメパークの情勢
② ユニバーサルスタジオの情勢
③ まとめ
① 世界のエンタメパークの情勢
① 緩やかな成長期(2009–2019年)
▼ 背景・原因
・ 世界的な経済成長(特に中国の中間層拡大やアジアの経済発展)。
・ テーマパーク各社(ディズニー、ユニバーサルなど)による新アトラクション投資が活発化。
・ 米国や日本は、国内需要に加え、訪日・訪米観光客の増加に支えられた。
▼ 推察
・ 訪問者数・売上高ともに、年ごとに安定的な成長を示している。
・ 米国は世界最大市場として成長を牽引。日本や中国も確実にシェアを伸ばしている。
② コロナ禍の打撃(2020–2021年)
▼ 背景・原因
・ パンデミックによるロックダウン・移動制限。
・ 海外からの観光客激減、国内でも営業停止・人数制限が相次いだ。
▼ 推察
・ 全ての国で訪問者数・売上高が半分以下、時に1/3以下に急落。
・ フランス・韓国など欧州・アジアのテーマパークは特に落ち込みが大きい。
③ 急速な回復と中国の台頭(2022–2023年)
▼ 背景・原因
・ 規制緩和、ワクチン普及により「外出需要」「レジャー需要」が爆発的に回復。
・ 中国市場の成長(国内パークの整備、北京ユニバーサルスタジオの開業など)による急拡大。
▼ 推察
・ 米国・日本はコロナ前の水準に迫る回復を果たす。
・ 中国は2019年比で訪問者数が約3倍に伸びており、世界市場の主役の一つになりつつある。
④ 国別の特徴
米国:依然として世界最大の市場。パーク自体の数や規模が最大。
日本:訪日観光客増加と国内人気で回復が顕著。USJの成功などが影響。
中国:急拡大市場。中間層の娯楽消費の増加と政府支援が後押し。
フランス:パリのディズニーランドなど欧州観光需要に支えられる。
韓国:ロッテワールドなど国内施設が堅調だが、やや小規模。
② ユニバーサルスタジオの情勢

▼ 全ユニバーサルスタジオの売上推移
推察:
2019年まで右肩上がりの成長。
2020年にコロナ禍で急落。2022年以降は回復基調で、特に米国・日本はコロナ前の水準に迫る。
北京ユニバーサル(USB)の新規開業が2021年以降の売上増加に寄与。
背景・原因:
新アトラクション投資(任天堂エリア等)と、映画・IPの人気維持が下支え。
コロナ後の“外出需要”の復活が売上を牽引。
中国市場の急成長と新規パーク開業が売上の底上げに貢献。
▼ スタジオ別売上高ランキング
推察(2023年推定):
首位がオーランド(UOR)、ジャパン(USJ)、ハリウッド(USH)である。
背景・原因:
UORは最大規模の複合施設(ホテル・2パーク展開)で不動の1位。
USJは日本国内需要+訪日観光客増で世界2位水準に。
USBは開業直後ながら、中国市場の爆発的成長で急浮上。
▼ スタジオ別の売上推移
推察:
USJ・UORはコロナ前水準に回復し、安定的に売上を伸ばしている。
USHは若干回復が遅れたが、着実に増加。
USBは開業初年度から高成長し、直近では主要パークに肉薄。
背景・原因:
UOR・USJはアトラクション刷新(任天堂エリア等)と国内需要が強み。
USHは映画IPに依存しがちで、やや伸び悩み。
USBは中国の消費拡大・国内旅行需要にマッチして好調。
USSは地理的制約もあり横ばい傾向。
▼ 売上と訪問者数の相関性(国別)
推察:
米国・日本では訪問者数と売上がほぼ比例しており、入園料・関連消費が訪問者数に依存している。
中国では訪問者数が急増しても、売上単価がやや低い時期もある。
韓国・フランスは訪問者数がやや伸びても売上は横ばい気味。
背景・原因:
米国・日本は「入園料+グッズ消費」で売上が安定的に比例。
中国は価格戦略・購買力格差で訪問者数ほど売上が伸びない時期も。
フランス・韓国では国内需要がメインで、単価引き上げに課題が残る。
③ まとめ
▼ 世界のエンタメパーク
2009-2019年:緩やかな成長期。経済成長と各社の投資が牽引。
2020-2021年:コロナ禍で大打撃。
2022-2023年:急速な回復と中国の台頭。規制緩和と中国市場の成長が要因。
国別に見ると、米国が依然として最大市場、日本は訪日観光客増加で回復、中国は急拡大市場。
▼ ユニバーサルスタジオ
全体売上は、コロナ禍からの回復基調。北京ユニバーサルの開業が貢献。
スタジオ別売上高ランキングは、オーランド(UOR)が首位、ジャパン(USJ)が2位。
スタジオ別売上推移は、USJとUORがコロナ前水準に回復。
売上と訪問者数の相関性は、国によって異なり、米国・日本ではほぼ比例、中国では価格戦略や購買力格差が影響。
▼ 今後の展望
これらの分析を踏まえ、今後のエンタメパークとユニバーサルスタジオの動向について、以下の点を予想する。
① 成長の再開:
2024年以降も、アトラクション投資や観光需要の回復により、再び成長局面に入ると予想されます。特に、コロナ禍で抑制されていた海外旅行需要の回復が追い風となるであろう。
② 中国市場の重要性
中国市場は引き続き重要な成長エンジンとなるでしょう。北京ユニバーサルの成功を皮切りに、中国国内でのエンターテイメント需要はさらに拡大すると考えられる。
③ 地域特性に合わせた戦略
各ユニバーサルスタジオは、地域ごとの特性や需要に合わせた戦略を展開していくでしょう。例えば、日本では訪日観光客向けのサービス拡充、中国では国内消費者向けの価格戦略などが考えられる。
④ デジタル技術の活用
デジタル技術の活用も重要なポイントとなるでしょう。オンライン予約システムの強化、AR/VRを活用したアトラクション開発、SNSを通じた顧客エンゲージメントの向上などが期待される。
⑤ 競争の激化
エンタメパーク市場は競争が激化しており、各社は差別化戦略を強化する必要があります。独自のIP(知的財産)を活用したアトラクション開発や、顧客体験価値の向上などが重要となるであろう。




